異物代謝を支える重要な転写因子AhRとNrf2の機能解析

近年,ダイオキシン類や多環芳香族炭化水素 (PAHs) など様々な化学物質による環境汚染が社会問題化しています.また,新薬の開発が進み,種々の疾患の治療に用いられていますが,人によっては重篤な副作用が発生する場合があります.生体には,このような異物・薬物を代謝および解毒する防御機構が備わっていて,主として酸化反応である第1相反応と抱合反応である第2相反応に分類されます.前者はAhR,CAR,PPARなどの転写調節因子によって制御されており,後者はNrf2により統一的に制御されています.現在,私たちは,転写調節因子による転写制御の視点から,異物・薬物の代謝を統一的に理解するため,これら転写因子の遺伝子欠失マウスを用いて研究をおこなっています.

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