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細胞内シグナル伝達

私たちの体は「ひとつひとつの細胞」の働きによってその秩序が保たれていま す。私たちの体内には組織ごとに様々な種類の細胞が存在し ており、それぞれの組織で個々の細胞が働くことによって私たちの体を動かしたり、成長させたり、恒常性を維持しています。(図.1)

個々の細胞が機能を発揮する際には、シグナル分子(ホルモン・成長因子・神経伝達物質など)が細胞の膜にある受容体に結合し、細胞内のタンパク質を 活性化し、シグナルとして細胞内で連鎖的に伝達されることで細胞機能の発現に至ります。この一連の過程を「細胞内シグナル伝達」 と呼びます。(図.2)

正常な状態では私たちの体の中で細胞内シグナル伝達は緻密に制御されていますが、シグナル伝達の過程に破綻(過剰なシグナルあるいはシグナル伝達の 遮断)が生じると細胞レベルでの異常から、私たちの組織、体のレベルに異常をきたし、様々な疾患の原因となります。従って、細胞内シグナル伝達機構を解明 することにより各種疾患の発症メカニズムの理解を深め、さらには疾患の診断、治療、創薬の開発などの臨床医学に貢献できることが期待されます。

(図.1)  (図.2)

脂質性シグナル伝達

脂質性シグナル伝達とは、細胞膜の構成成分であるリン脂質が生命現象の誘発に伴って代謝され、シグナルのセカンドメッセンジャーとして機能する現象です。 近年、様々なリン脂質代謝酵素がシグナル伝達分子として働き、多くの生命活動に関わっていることが明らかにされており、詳細なメカニズムの解析に注目が集 まっています。  

特に私たちは、リン脂質代謝酵素である「ホスホリパーゼD (PLD)」「ホスファチジルイノシトール 4-リン酸 5-キナーゼ (PIP5K)」や、それらの活性を制御している「低分子量Gタンパク質Arf6」 に注目し、分子レベル、細胞レベルのみならず個体レベルのアプローチも用いてその生 理機能の解明を目指しています。(図.3)

 生命現象の根幹である細胞内シグナル伝達系を紐解いていくことで、「生物はどのようにして生命を維持しているのか」、「疾患はどのようにして 引き起こされるのか」を理解し、将来的には私たちの研究を臨床医学へ貢献させるべく日々研究を行っています。

(最近の研究成果の一部をこちらからご覧頂けます、研究業績についてはこちら)





(図.3)

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