研究内容
高等動物であるヒトは病原微生物に対する生体防御機構としてきわめて精緻に統合された免疫システムを築き上げてきました。ヒトの進化と生存は感染症との戦いにおける勝利の歴史であったとも言えます。

しかし、エイズなどの新興ウイルス感染症や古くから存在する結核などを例にとるまでもなく、感染症は現代にいたってもなお人類にとっての最大の脅威です。

一方で、免疫システムの異常は自己免疫病アレルギーといったきわめて今日的な難治疾患の本質的病因ともなっています。また移植臓器拒絶なども免疫システムに直接関わっている課題です。
これらの病態や疾患の克服をめざした人為的免疫制御法の開発は、免疫システムの未知の基本原理を明らかにしていくことから始まります。

本研究室では、我々が世界に先駆けて発見した
@DNAM-1 (CD226)
AIgM・IgAに対する免疫グロブリン受容体分子
BMAIR分子群
などについて、遺伝子から分子、細胞へ、さらに遺伝子操作マウスなどを用いて個体レベルへ還元して解析を行い、免疫システムの新しい基本原理を明らかにすることに挑戦します。