研究成果

業績資料(加藤)

Kato A, Arii J, Koyanagi Y and Kawaguchi Y.
Phosphorylation of Herpes Simplex Virus 1 dUTPase Regulates Viral Virulence and Genome Integrity by Copensating for Low Cellular dUTPase Activity in the Central Nervous System.
J Virol. 2015 Jan 1;89(1):241-8.

概要

様々なDNAウイルスが、宿主細胞の核酸代謝酵素dUTPaseのホモログをコードしている。これらのウイルス特異的dUTPase (vdUTPase) は、宿主細胞のdUTPase活性が低い組織において、dUTPase活性を補填するために機能すると長らく考えられてきた。しかしながら、本仮説を裏付ける生体レベル (in vivo) における直接的な知見は皆無であった。そこで、本研究では、宿主細胞のdUTPase発現カセットを、単純ヘルペスウイルス(HSV-1)ゲノムに搭載することで、vdUTPaseの酵素活性低下に起因する中枢神経系におけるウイルス病原性の低下やウイルスゲノムの変異率の上昇が、in vivoにおいて回復することを示した。本知見は、長らく信じられて来た上記の仮説を支持する初の直接的な知見であると考えられる。