研究成果

業績資料(加藤)

Fujii H, Kato A, Mugitani M, Kashima Y, Oyama M, Kozuka-Hata H, Arii J, and Kawaguchi Y.
The UL12 Protein of Herpes Simplex Virus 1 Is Regulated by Tyrosine Phosphorylation.
J. Virol. 88:10624-34.

概要

ヘルペスウイルスは、効率的な子孫ウイルス産生のため、複数のウイルス特異的酵素をコードしていると考えられている。これらのウイルス特異的酵素の機能は次第に明らかとなりつつあるが、その制御機構の大部分は不明であった。本研究は、単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)がコードするアルカリヌクレアーゼ(AN)であるUL12のAN酵素活性が、Tyr-371のリン酸化によって制御されること、および本リン酸化がウイルス増殖やマウスモデルにおける病態発現能を司ることを明らかとした。興味深いことに、Tyr-371は全てのヘルペスウイルスに保存されていた。すなわち、本知見は、ヘルペスウイルスがコードするANのリン酸化制御機構が、広域スペクトル抗ヘルペスウイルス阻害剤の創薬標的となりうる可能性を示した知見であると考えられる。