研究成果

業績資料(加藤)

Maruzuru Y, Shindo K, Liu Z, Oyama M, Kozuka-Hata H, Arii J, Kato A, and Kawaguchi Y.
Role of Herpes Simplex Virus 1 Immediate-Early Protein ICP22 in Viral Nuclear Egress.
J. Virol. 88: 7445-7454.

概要

ヘルペスウイルスは核内でウイルスゲノムを内包したヌクレオカプシドを形成し、核内膜を一次エンベロープとしてヌクレオカプシドに獲得させ、核内膜と核外膜の間に出芽(Primary envelopment)した後、核外膜と一次エンベロープを融合させて、ヌクレオカプシドを細胞質に放出(De-envelopment)するというユニークな核外輸送機構(Nuclear egress)を備えていると考えられている。本研究は、単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)がコードするICP22のインターラクトーム解析の結果、ICP22がnuclear egress必須因子であるUL34およびUL31や、nuclear egress促進因子であるUL47と複合体を形成することが明らかとした。興味深いことに、ICP22欠損はUL34およびUL31の核膜への局在を阻害し、逆にUL31欠損もICP22の核膜へ局在を阻害した。これらの結果と相関し、ICP22欠損変異は、primary envelopmentの効率を有意に低下させた。本知見は、ICP22がnuclear egressの促進因子であることを意味すると考えられる。