研究成果

発表論文報告(計画研究班A01-1永田)

概要

インフルエンザウイルスゲノムはRab11陽性の小胞輸送経路(リサイクリングエンドソーム:RE)を介して、細胞膜まで輸送される。インフルエンザウイルス感染により、中心体の成熟化が誘導されて形成された微小管を介して、リサイクリングエンドソームは逆行性に輸送され、中心体近傍でEndocytic recycling compartment(ERC)を形成することが明らかになった。核内で複製されたウイルスゲノムは、コレステロールと共にERCに集積し、コレステロールに富んだ小胞を介して細胞膜まで輸送されることが示唆された。小胞に含まれるコレステロールは、細胞膜でのウイルス出芽に必要であり、ウイルスゲノムの細胞膜への輸送と協調したウイルス粒子形成のトリガーとして機能することが示唆された。