人間総合科学研究科 感性認知脳科学専攻 システム脳科学分野・設楽グループ 本文へジャンプ



脳の情報処理の作動原理を求めて


 我々は景色を見たり音楽を聴いたり、色々なことを考えて行動したりしますが、ではどのようにしてそのようなことを行っているのでしょうか? これらの我々の行動をコントロールしているのは脳であり、脳内に多数ある神経細胞(ニューロン)が複雑な情報処理を行うことによってこれらの機能を実現しています。 では、その情報処理の仕組みはどのようなものなのでしょうか? 
 人間の脳はコンピューターに比較されることがあります。どちらも情報処理を行うという点では同じです。コンピュータは半導体技術の著しい進歩によって、非常に高速に正確な計算を行うことができます。特に順々に計算を行っていく直列処理が得意です。一方、脳の計算はコンピューターほど速くはありません。直列処理に関しては、桁数の多い計算になると電卓ですら人間よりずっと速く計算結果が出ます。しかし、情報処理を行うときに複数の要因を考える必要があり、それらが複雑に絡み合っている場合、或いは、不確定な要素が存在する場合でも、脳は複数の処理を並列して行い、かなり妥当な計算結果を素早く出すことができます。これは、脳がコンピューターとは異なる情報処理原理に基づいて動作していることを示唆しています。いったい脳はどのようにして情報処理を行っているのか?それを解き明かすことを目指して、霊長類を用いた生理学実験により脳内のニューロンの活動を直接記録し、数理モデル解析によって、どのような情報処理の仕組みによってそのようなニューロン活動が生じているのかを探っています。

   
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