白血病や再生不良性貧血に代表される重篤な血液疾患に対する有効な治療法として、骨髄、末梢血や臍帯血由来の造血幹細胞移植があげられます。しかし、この方法には、白血球の型が一致するドナーを見つけることが困難であり、移植に十分な造血幹細胞数を採取することも難しいという問題があります。
そこで、三次元培養技術を造血系細胞の培養に応用し、体外で造血幹細胞を増幅する研究を行っています。これらの研究では、造血系細胞と共培養するストローマ細胞(間質細胞)に様々な処理を加えることで、造血前駆・幹細胞を良好に増幅させることに成功しました。処理条件や培養条件を改良することで、さらに高い増幅率で細胞を増幅することを目指しています。
この成果は、2015年2月の
Experimental Hematology 誌の表紙になりました。