現在、日本で何らかの不妊治療を受けている患者カップルは約28万5千組と推計され、高度生殖医療の助けを借りて生まれる子どもは、年間の出生児60人につき1人と報告されています。こうした生殖医療技術の進歩や適応範囲の拡大は、子どもが欲しいと願うカップルには望ましい状況と捉えられる反面、治療の選択や終止時期に迷う当事者のジレンマを深刻化し、情緒的サポートや意思決定支援の充足が望まれています。また、最近報道された“受精卵取り違え事件”は、不妊治療を受療する女性の心身の安全をどのように守っていくのかという、生殖医療における看護のあり方に新たな課題を投げかけています。
本セミナーでは、生殖医療を取り巻く社会や医療の現状と看護研究の現在、当事者の声から看護ケアの根拠を見出す質的研究法、治療の選択や終止をめぐる意思決定支援に関する最新の知見を紹介します。 |