筑波大学大学院 循環器内科

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循環器内科の紹介

ご挨拶


人間総合科学研究科
病態制御医学循環器内科学教授
青沼和隆


「協調と融合」


初めに:
 筑波大学循環器内科教室ホームページをご覧の皆さん、一言ご挨拶を申し上げます。
 筑波大学循環器内科学教室の運営を山口巖現名誉教授から私が受け継がせていただいてから早3年が経過いたします。この3年の間に世界情勢は未だかって無い程激烈に変化しました。史上最大の好景気から一転して100年に一度の不況へとあっという間に経済の主軸が移り変わりました。また、世界と敵対し一国頂点主義を貫いていたパクスアメリカーナのBush政権が、対話と協調を土台にした世界の構築を目指すObama政権へと180度の変更を遂げ、世界の進むべき道も大きく変化しました。またパンデミック(世界的流行)としてとらえられる新型インフルエンザが爆発的な流行を予見させ、CO2排泄抑制を契機にしたエコロジーを目指した全く新しいエネルギー・産業革命の兆しの芽生えと、この3年間はまさに激烈な変化の年であり、この激動は20世紀の価値観に基づいた枠組みからから新たな21世紀の枠組みが固定されるまでの間、まだまだ続くものと思います。
 私ども筑波大学循環器内科学教室でも、関連病院を含めた刷新的な人事の交流などがあり、激動の3年間といっても過言ではなかったと思っております。一般的に“激動“と申しますと、ともすれば悪い方向に向いたネガティブなベクトルを暗示する言葉でありますが、少なくとも我が筑波大学循環器内科学教室においては確実にポジティブなベクトルに変化していると感じております。むしろ来るべき将来の大きな成長に備えて、現在は少し屈んで力をためている様子であると考えていただければと思います。

今までの3年の道程:
 教授就任後、まず初めに行ったことは各関連病院の先生方との対話でありました。当時教室庶務をしておりました河野了先生の車に乗せていただき各関連病院を訪問し、各関連病院の特性と、臨床教育や臨床研究へのモチベーションを肌で感じ、また教室員各人とミーティングを開き各先生方の特性と目標を共有しました。
 この様に各先生の目標をベースに人事を行う方法を導入し、各先生が各病院で自ら率先して少しでも楽しく仕事をこなしてゆけるように配慮した人事を目指しました。また、長年同じ病院に勤務することのメリットを十分考慮したうえで、各先生個人と病院の業務推進におけるデメリットを考え、中堅の先生にもゆっくりとしたローテーションをお願いすることなどを話し合い、実行してまいりました。
 各関連病院がお互いに尊重しあいかつ協力し合って地域医療を推進して行くのは勿論のこと、互いに切磋琢磨して己を磨いてゆく事の重要性を共有し、各関連病院がその持てる力を競うことができる研究会等の提供にも心がけました。更には、各関連病院の先生方が、日々の忙しい診療を通して得たデータを、ICAS(Ibaraki Cardiac Assessment Study)として広く世界に発信するためのプラットフォーム作りを推進し、やっと情報発信の土台ができるようになりました。この様な土台の整備が整ってきた事が功を奏したのか、いやむしろ各関連病院を含めた筑波大学循環器内科学教室員各人の努力が実った成果であると思いますが、本年の第73回日本循環器学会総会において、プレナリーセッション・シンポジウムなど5題を含む計69題の演題が筑波大学循環器内科学教室から採択され、全国で一番の演題採択数となりました。また日本循環器学会関東甲信越地方会では、第205回より始まったYIA(young investigator award)において、第212回迄の計8回中3回で優秀賞を受賞することができました。毎回110題にも及ぶ応募演題の中からの計3回の受賞は、勿論筑波大学のみであり、今回、筑波大学循環器内科教室における臨床力の高さと、新入教室員の優れた若い力の結集を内外に示すことができたものであると考えております。また、今回の第212回日本循環器学会関東甲信越地方会には筑波大学循環器内科教室だけではなく、筑波メディカルセンターと茨城県立中央病院からも演題が採択されています。この事は、筑波大学循環器内科教室及び関連病院における弛まない若手医師に対する教育への熱意と、若手教室員の新たな力がより高い次元で結実していることを物語っており、筑波大学循環器内科教室の今後のますますの発展が約束されているものであると実感しております。
 諸先輩をはじめとする筑波大学循環器内科学教室の多くの先生方のご協力のお力添えによって、この様に3年という非常に短い期間でロケットスタートが切れたものと思い、この場をお借りして山口巖名誉教授、小関 迪先生、野口祐一先生をはじめとする多くの同門会構成員の先生方に改めて御礼の言葉を述べさせていただくと共に、以下に今後の筑波大学循環器内科学教室の進むべき方向性について述べさせていただきたいと存じます。

これからの進むべき道:人材確保と人材教育
 では、筑波大学循環器内科学教室と各関連病院の進むべき道程とはどのようなものでしょうか。上述の如く、ロケットスタートを切ることができましたのは一重に多くのOB・OGの先生方、学内の教室員の先生方、新入教室員の先生方のお力添えによるところと深謝いたします。
 今後もこのような弛まない成長を維持し、且つ各関連病院の先生方に少しでも臨床を楽しみつつ新入教室員の先生方の教育指導、臨床研究を継続していただくためには、最も重要なことは人材確保であると考えており、今後も毎年多くの新入教室員の加入が必須であることは皆様ご理解いただいているものと存じます。現在筑波大学循環器内科学教室には毎年3-5名の新入教室員の加入があります。今後も、各関連病院を含めた筑波大学循環器内科学教室の全体の底力を継続して押し上げていく為には、少なくともこれから10年間は最低毎年5‐7名の新たな教室員の加入が必須であり、学内のみならず、広く学外からの筑波大学循環器内科学教室への参加を期待いたしております。異なる考えを持った多くの先生が集うことによって、一見結び付きの少ない領域の結び付きが密となり、考えもよらなかった新たな大きな力が発生してくることがあります。このような可能性を筑波大学循環器内科学教室において大いに伸ばそうではありませんか。

これからの進むべき道:教室の方向性
 
次に、筑波大学循環器内科学教室の目指すべき方向性について述べさせていただきます。私は就任以来、筑波大学循環器内科学教室の大きな柱として、二つの目標を挙げさせていただいてまいりました。一つは、同僚から信頼される医師であれ、二つには国際的に評価される医師であれという二つの目標であります。一つ目の同僚から信頼される医師となるためには、己の医学的知識や医学的技術を磨いてゆくと同時に、医療人としての温かな人間性を養っていかねば仲間内からの強い信頼は得られないと思うからであり、同僚の医師から自分の父親あるいは自分自身の治療を任せられる医師となるには医師としてトータルな力を持つ必要があり、いわゆる究極の名医を目指すことになると思うからです。また、二番目の目標である国際的に評価される医師であれということは、単に自分が医学を極めたとしても、それを人々と共有することがなければ、万の意味もないと考えるからです。実際患者の治療は誰のためにあるのかということを考えれば、単に我々が患者に治療を施しているのではなく、我々が治療させていただいているという患者中心の考えに立脚して考えて行かねばならないのではないかということです。即ち、我々が治療をさせていただいた貴重な経験をまとめてしっかりと残していく事は医師がカルテを記載することと同じ線上にあり、自分の治療が正しいのかを把握する上でも我々の治療をまとめて形にして世に送り出すことが医師として非常に重要であることは自明の理であります。
 また、この様な日々の診療や治療の反省から、例えば及びもつかない新しい概念や治療が日々開発されている事を考えると、医師として日々の日常を徒に漫然とこなすのではなく、日々の努力を怠らない事へもつながるものであると思います。

最後に:
 この様に、医療の信頼と先進研究という二つの柱を筑波大学循環器内科学教室の大きな目標としてこれからも進んでゆきたいと考えているところでありますが、この様な崇高な医学・医療の目標に向けての活動推進のために最も重要なことは、筑波大学循環器内科学教室の中での異なる要素の調和であると考えます。組織の成長のためには異なる要素の協調と融合が最も重要な要素である事は、ローマ帝国の長期にわたる成長と繁栄、アメリカ合衆国の急成長等枚挙に暇がありませんが、筑波大学循環器内科学教室の今後の成長にとっても、例えば卒業生(OB・OG)と新入教室員(YB・YG)、大学内の教室員と関連病院構成員、筑波大学卒業生と他大学卒業生、男性教室員と女性教室員、先端的学術研究と地域医療等、異なる要素の協調と融合が最も重要な要素である事は疑う余地がありません。無論、私自身が山口巖現名誉教授にお誘いいただき筑波大学循環器内科学教室に参加させていただきましたのも、おそらく山口巖現名誉教授のこの様な先見性の高いお考えからかと拝察申し上げるしだいでございます。

 以上述べさせていただきましたが、今後関連病院を含めた筑波大学循環器内科学教室全体の成長のためには、この様に異なる要素の協調と融合が不可欠であります。関連病院を含めた筑波大学循環器内科学教室全体として、今後3年間の中期目標として協調と融合あるいは融和を掲げて教室員一丸となって邁進してまいりたいと考えておりますので、今後も更なる御理解、御協力の程を、切にお願い申し上げます。


         筑波大学大学院人間総合科学研究科臨床医学系
         疾患制御医学専攻循環器内科学教授 青沼和隆

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