筑波大学大学院 循環器内科

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循環器内科の紹介

ご挨拶

■ご挨拶(年頭所感)



筑波大学 医学医療系 循環器内科学
教授 
青沼和隆


2009年度循環器内科教室の皆様への御挨拶

―西洋的思考と東洋的思考の狭間で―


 筑波大学循環器内科同門会の皆様、筑波大学大学院循環器内科教室と関連病院の運営に対しまして2008年度も多くのご理解とご協力をいただきありがとうございました。


 私が筑波大学に赴任させていただき早5年が過ぎ去ろうとしており、教授就任後も3年が過ぎようとしております。この間、同門会の先生方に多くのご協力をいただきましたことを厚く御礼申し上げます。先生方のご助力により、大学内の循環器内科教室自体も大きく変革を遂げ、急性期医療の担い手として着実に成長しました。


 もはや症例数だけで病院力を競う時代は終わりを告げましたが、本年からはカテ室が3室体制となり、更に多くの症例の治療や臨床研究が可能になります。現在、同門会の先生方のご協力のおかげをもちまして臨床教育に十分な症例数を大学に確保することができ、私が着任時から掲げておりました“良質な臨床の上で初めて良質な研究と良質な教育が遂行される”という言葉を徐々に実践することが可能な環境が整備されるに至っております。


 また、その甲斐あってか地方大学における若手医師の大学離れが問題になっている現在でも、筑波大学循環器内科教室では入局していただける若手の先生の確保もある程度可能であり、各関連病院にも少しずつ人員増員が出来るようになってきました。今後も各関連病院の人員増員により各関連病院が少しずつ臨床研究に目を向けることができるようになれば、更に筑波大学大学院循環器内科教室を中心として、関連病院全体の臨床力が向上し、循環器を目指す若手の医師にとって魅力ある教室に発展していくことができるものと考えていますので、これからも特に若手教育の面で大学との協調協力をお願い申し上げ、多くの入局者の確保にご協力お願い申し上げます。


 また、大学本来の研究面に関しては、詳しくは昨年暮れのニュースレターを御覧いただきたいと思いますが、本年の日本循環器学会総会に50題以上の一般演題採択、5題ものシンポジウムやプレナリーセッションへの採択、1題がLate Breaking Sessionへ採択され、不整脈分野だけではなく多岐にわたる筑波大学の力が示されてきております。関連病院の皆様には、今後もICAS( Ibaraki Cardiac Assessment Study)を中心にした多施設前向き臨床研究へのご協力をお願いいたします。本年はICAS-CADのみならず、ICAD-CHFまたはICAS-DCMのレジストリー、ICAS-AFのレジストリー、また石津先生を中心としたICAS-Womanのレジストリーなども推進してゆきたいと思いますので、皆様なにとぞよろしくお願い申し上げます。


 最後に、医学の分野とは少しはなれますが、年の初めに考えたことがあります。2001年9月11日アメリカの同時テロの後、George Bushアメリカ合衆国大統領が世界の人々に対し米国自由主義につくのかテロの側につくのか?という二者択一の論理で世界を対テロ戦争に巻き込みました。また、自由民主党政治の中で、小泉前首相が郵政民営化に賛成ですか反対ですか?という二者択一の郵政民営化選挙を行って現在のねじれ国政が形成されました。この二者択一の論理というものは一見明確でわかりやすいため、すばらしそうに聞こえますが、実はそれ以外の考えをすべて否定してしまう可能性への危惧があるのです。どちらにも帰結されない意見こそにわれわれは耳を傾ける必要があるのではないかともおもえるのです。2009年1月、George Bushから引き継いだBarack Obamaアメリカ合衆国大統領は、就任演説で、“現在の混乱の原因は一部の人々の貪欲(どんよく)さと無責任にあるものの、我々は困難な選択を避け、次世代への準備にも失敗してきた。しかし過去に固執し、狭い利益しか守らず、面倒な決定は後回しにする時代は終わった。そして豊かな者のみを優遇する国は長く繁栄することはできないことに我々は気付いた。”と述べています。更に、“我々のために、先人は額に汗して働き、西部に住み着き、鞭(むち)打ちに耐え、硬い土地を耕してきのだ。”“今、自分の労働時間を削ってでも仕事を分け合おうという労働者たちの無私無欲のおかげで、最も暗い時を切り抜けることができる。我々が成功するかどうかは、労働と誠実さ、勇気、フェアプレー、忍耐、好奇心、忠誠心や愛国心にかかっている。” “聖書の言葉を借りれば「幼子らしいこと」をやめる時が来た。我々が、不朽の精神を再確認する時がきた。より良い歴史を選ぶことを再確認し、世代から世代へと受け継がれた高貴な理想と貴重な贈り物を引き継ぐ時が来た。それはすべての人々は平等、自由で最大限の幸福を追求する価値があるという、神の約束である。”と述べています。即ち、Barack Obamaアメリカ合衆国大統領は、再び皆が額に汗して働く時が来たとアメリカ合衆国国民を鼓舞しているのです。そして、国民に皆が分かち合うということの重要性を何度も諭しています。また、Barack Obamaアメリカ合衆国大統領は白か黒かという二者択一の理論を振りかざして暗い日々を過ごすことよりも、皆の多様性を重視したファジーな考えも受け入れられるような柔軟なアメリカ合衆国に還って再び明るさを取り戻そうと訴えています。


 我々筑波大学循環器内科グループのOBの皆さんも、是非とも額に汗して手に豆をして、今一度立ち上がろうではないですか!そして、若い力を大切に育てながら、若い先生からの声やOBからの声など色々な考えもそしてファジーな問題も許容し、皆で共有できるような柔軟な教室として成長して行ければよいと考えています。以上最後に私が考えたことを述べさせていただき、本年の年初の挨拶とさせていただきます。


 本年一年が同門会の皆様と御家族様にとってすばらしい一年でなるようにと祈念しております。


平成21年1月吉日
青沼和隆

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