筑波大学大学院 循環器内科

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患者様へ

心不全

心不全とは何ですか? ・ 心不全の原因は?心不全の危険性が高い人はどういう人?
心不全の症状にはどういうものがありますか? 
心不全はどうやって診断するのですか? ・ 心不全はどうやって治療するのですか? 
心不全を予防するにはどうすれば良いの? ・ Key Point キーポイント

■心不全はどうやって治療するのですか?

心不全治療の目標・ゴール

  1. 心不全の原因疾患の治療
  2. 症状を改善して楽に生活できるようにする(Quolity of Life の改善)
  3. 心不全の悪化の予防
  4. 死亡の防止(生命予後の改善)

医師は心不全そのものだけではなく、心不全の原因となる基礎心疾患または状況(例えば虚血性心疾患、高血圧,糖尿病など)の治療も同時に行います。

心不全の治療は大別して以下のものがあります:

  1. 生活療法ライフスタイル変化
  2. 薬物療法
  3. 手術療法
  4. ホスピスケア

生活療法・ライフスタイルの変化

慢性疾患の治療は医師だけではできません。あなたの毎日の努力が心不全の悪化の最大の治療です。

  1. 塩分制限を続けてください。塩分は過剰な体液の貯留により、浮腫など心不全症状を悪化させます。
  2. 飲水の量には常に注意して下さい。
  3. 毎日体重を測定して、突然に体重が大きく増加した場合に医師に知らせてください。急激な体重の増加はあなたの体に過剰な体液が多量に貯留していることを示しています。
  4. 運動を行う時には医師に相談してください。
  5. 体重コントロール・太りすぎの方はやせるようにして下さい
  6. タバコは必ずやめてください
  7. アルコールはたくさん飲まないでください

薬物療法

自覚症状を治めて心機能を回復させるために、われわれ心臓の専門医は次のような内服薬を処方します。

  1. 利尿薬 利尿薬は余分な水分と塩分の排泄を促し、肺や手足の浮腫を改善します。
  2. アンギオテンシン変換酵素阻害薬 元々は降圧薬として使用されていました。血圧を下げて、心臓への負荷を減らす他に、心筋の保護作用があり、将来、心不全が悪化するのを予防することが判明しています。
  3. β遮断薬 β遮断薬は心拍数を減らしたり血圧を下げることにより、心臓の負荷を減らします。欧米だけでなく日本の心不全患者さんでも心不全による死亡率を減らすことが科学的に証明されています。
  4. ジゴキシン ジゴキシンは心臓の収縮を強めて、ポンプの働きを増強します。ただし、生命予後(将来もずっと生き続ける確率)を改善するかどうかは曖昧です。

薬物療法が効かない重症の心不全に対する治療

心不全が進行すると、薬が効かなくなって息切れなどの自覚症状が再び強くなってくる可能性があります。場合によっては、入退院を繰り返すことになるかもしれません。入院して内服薬の追加や点滴療法、酸素療法を開始することもあります。
非常に重症の心不全の患者さんで、ご本人の身体の状況,ご家族の協力,社会的状況,経済的状況が許せば、

  1. 両心室ペースメーカ
  2. 左室形成術(バチスタ手術)
  3. 補助人工心臓
  4. 心移植

といった手術療法を選択することもあります。
補助人工心臓は、心臓が身体に血液を送り出すのを助けるため、体内に植え込まれる特別な機械式のポンプです。心臓を取り去ってしまって、その代わりに入れ込むのではなく、弱った心臓にチューブをつないで装着するタイプのものが使われています。色々な種類の補助人工心臓がありますが、最近では長期間使い続けることができる装置が開発されました。30%程度の患者さんは、補助人工心臓でしばらく心臓を休めることにより心機能が回復し、補助人工心臓の使用を中止することができますが、60-70%以上の患者さんは心臓移植を行わないと装置を外すことができない状態になります。
心移植は、脳死の患者さんから摘出した心臓を移植する手術です。現在、心臓移植を受けた方の1年生存率は80%、5年生存率は70%以上です。(一方、手術を受けていない重症の心不全患者さんの1年生存率は50%以下といわれています。)心移植を受けた患者さんの70%以上が社会復帰を果たしており、非常に有効な治療法ではありますが、本邦ではドナー不足や、手術できる施設が限られていることなど、未だ様々な制約が残されています。


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