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お知らせ

2019.02.22

「非ステロイド性抗炎症薬ジクロフェナクにより心筋細胞作製改善に成功」を国際科学雑誌『Nature communications』に発表

家田先生らの研究グループは、日常臨床で使用されている非ステロイド性抗炎症薬ジクロフェナク(商品名:ボルタレン)と心筋誘導遺伝子の組み合わせにより、線維芽細胞から効率よく直接的に心筋細胞を作製することに成功しました(図)。

これまでに家田先生らは、細胞移植を必要としない新しい心臓再生法として、心臓に存在する線維芽細胞に心筋誘導遺伝子を導入して、心筋を直接作製する研究を行ってきました。しかしながらこれまでの方法では、胎児期線維芽細胞から心筋を効率よく作成することはできても、治療対象となる新生児や成体の線維芽細胞から心筋細胞を効率よく誘導する方法は確立されていませんでした。

本研究で、家田先生らは8400種類の化合物ライブラリーをスクリーニングして心筋誘導を促進する化合物を探索しました。その結果、ジクロフェナクが、新生児期及び成体期のマウス線維芽細胞で、心筋細胞の作製効率を約3倍改善することを発見しました。さらに、そのメカニズムとして、加齢に伴い線維芽細胞で生じる炎症と線維化が心筋誘導を阻害すること、ジクロフェナクの抗炎症・抗線維化作用により心筋誘導が改善することを明らかにしました。本研究成果は、将来の心臓再生医療実現に貢献が期待されます。研究成果は、2019年2月20日に国際科学雑誌『Nature Communications』に発表されました。

筑波大学プレスリリース
http://www.tsukuba.ac.jp/attention-research/p201902210932.html
日本医療研究開発機構(AMED)プレスリリース
https://www.amed.go.jp/news/release_20190220-02.html
Nature Communications誌
DOI:10.1038/s41467-019-08626-y

心筋誘導遺伝子

心筋誘導遺伝子+ジクロフェナク

図:線維芽細胞から誘導された心筋細胞
(左)心筋誘導遺伝子のみ導入 (右)心筋誘導遺伝子導入+ジクロフェナク添加

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