高安動脈炎は冠動脈炎の原因となることが知られておりますが入口部病変が典型的です。今回、高安動脈炎による冠動脈炎によりびまん性の冠動脈多枝病変をきたし、急性心筋梗塞を発症した若年症例を経験し、血管内超音波・冠動脈CT・FDG-PETなどのmulti-modality imagingによる評価をもとに診断し、免疫抑制剤による治療で手術などの侵襲的介入を要さずに改善に至った経緯について報告いたしました。若年発症の虚血性心疾患では、稀な原因ではありますが高安動脈炎を想起し、多角的な画像診断による評価が重要であることが示唆された症例でした。 本報告は2022年2月16日に国際科学雑誌『JACC: Cardiovascular Interventions』に発表されました。

Acute myocardial infarction associated with diffuse coronary lesions with Takayasu arteritis in a teenager

Kimi Sato , Hiroaki Watabe, Akira Sato, Masaki Ieda
JACC: Cardiovascular Interventions. 16 February 2022.
doi: 10.1016/j.jcin.2021.12.031.