COVID-19ワクチン接種後の稀な副作用として心筋炎が報告されています。これまでにワクチン接種後に発症した劇症型心筋炎の病理像についての報告はありますが、心筋組織からウイルスゲノムが検出されないことを確認し、偶発的なウイルス性心筋炎の可能性を除外した報告はありませんでした。また、軽症の心筋炎の心筋病理像についてはほとんど報告がありませんでした。本論文ではCOVID-19ワクチン接種後まもなく心筋炎を発症し、ウイルス性心筋炎が除外された4症例（劇症例2例、軽症例2例）の心筋病理像を報告いたしました。またステロイドを中心とした免疫抑制療法がワクチン接種後心筋炎に対して効果的である可能性を示しました。本研究は2022年4月30日に国際科学雑誌『European Journal of Heart Failure』にケースシリーズとして発表されました。

Yamamoto M, Tajiri K, Ayuzawa S, Ieda M.
Eur J Heart Fail. 2022 Apr 30.
doi: 10.1002/ejhf.2523.