受診を希望される患者さんへ

入院治療

入院

ベッド数800床の筑波大学附属病院で治療を行っています。消化器外科の患者さんの多くは富士山・筑波山・東京の高層ビル群が一望できるけやき棟8西に入院して頂きます。手術治療後等の重症患者さんは2階のHCU又はICUで治療させて頂きます。当院では、病気の重症度に応じて異なる病棟を使うシステムを取っていますので、患者さんは病気の回復の過程で何度か病棟・部屋を移って頂きます。
教授・准教授・講師の9人のスタッフ、5人の消化器外科専門研修医(チーフ・シニアレジデント)、約2-4人の外科初期研修医(ジュニアレジデント)の合わせて約15人程の医師が診療にあたります。全ての患者さんの治療方針はグループ全員で検討し、決定して行われます。各患者さんにはその中でも特に中心的に治療を担当する主治医のスタッフ1名、副主治医のチーフレジデント1名、担当医としてのシニアもしくはジュニアレジデント1名の計3名がつきます。各医師には専門・得意分野があるため、必ずしも外来で最初にお会いした医師が主治医になるとは限りませんが、ご希望がある場合には遠慮無くご相談下さい。
各患者さんの治療方針は毎朝、毎夕主治医チームによって行われる回診により相談、検討されます。さらに、毎週月曜日に行われる消化器外科グループカンファレンスでは全ての検査データ・資料が教授以下全員のスタッフ・レジデントの目を通して入念にチェックされます。特に判断が困難な病態の患者さん、手術治療が勧められると考えられる患者さんについては毎週水曜日に行われる内科、放射線科、診断病理との4科合同カンファレンスに提示し、外科医以外の客観的な意見を聞くようにしています。また、患者さんは消化器病だけを病んでいるとは限りません。筑波大学附属病院は心臓、呼吸器、腎臓、脳神経、アレルギー、眼科、耳鼻咽喉、皮膚、整形等全ての診療科を備えた総合病院です。必要に応じて、それらの専門家の診察・治療を併せて受ける事ができます。


治療



手術

我々が行う治療の中心は手術です。手術に対する患者さんの感じ方は大きく分けて二通りあります。(1)できるものならば手術をしてもらってすっきりしたい。(2)手術は怖いので、できるならば手術以外の方法で治したい、というものです。我々は、手術に対して、より客観的で、中立的である事をモットーとしています。手術治療の持つマイナス面をしっかりと認識した上で、それでも手術が患者さんの治療に最も効果的だと考えられる時にお勧めするようにしています。手術を受けていただくからには、安全でトラブルの発生が少なく、術後早期に退院していただけるようにする事が私たちの使命だと考えております。一方、私たちのグループの特徴は、手術治療にこだわることなく、以下のような色々な治療法を患者さんの状態に合わせて組み合わせていく所にあります。

鏡視下手術

通常のお腹を大きく開ける手術に比べて、傷口が小さくて済む、術後の痛みが少なくて済む、退院が早くできる・・・等の利点を掲げて腹腔鏡手術が急速に広まっています。我々は腎臓移植の提供者の手術を日本で最初に腹腔鏡手術で行うなど、先進的な治療に応用しています。ただし、手術時間がかえって長くかかったり、腹腔鏡で手術を行ったが故に起こるトラブルがあったり、必要経費が高くつく等よい事ばかりではない為、適応をよく考えて行うようにしています。

穿刺焼灼治療

主に肝臓の腫瘍に対して、超音波ガイド下に針を刺してその先端からラジオ波を発生させ熱で病巣を焼く治療も行っています。手術に比べて比較的侵襲が少なく治療できる利点があります。ただし、病気の場所、性質、大きさなど、この治療が効果的な状態には限りがあり、全ての肝腫瘍がこの方法で治せる訳ではありません。

放射線・陽子線(プロトン)

放射線は使い方を誤ると武器になったり、原子力発電所の事故のように人体に害になりますが、医療現場で適切に使えば効果的な治療手段になります。毎週火曜日に放射線治療部の医師達とカンファレンスを開き、放射線治療が効果的と考えられる患者さんへの適切な治療を考えています。入院して治療させていただくことも、外来で通院しながらにてやらせていただくこともあります。また、筑波大学は陽子線治療が普及しはじめる以前の開発段階から関わっており、日本における陽子線治療の先駆けとなった大学です。現在は陽子線治療センターが新設され、さらに積極的に治療を行っています。

血管塞栓療法

主に肝臓の腫瘍に対して、病気に血液(栄養・酸素)を送り込んでいる血管を詰める、いわゆる“兵糧責め”治療です。これは血管造影等の検査を得意とする放射線部の医者が担当して行っています。

薬剤治療

同じ薬でも投与経路(腕からの点滴・動脈への直接投与・飲み薬など)や濃度、時間のかけ方、薬の組み合わせ等で効果は全く異なってきます。私たちはこの薬物動態理論をふまえた治療法を行っています。


退院

治療が一段落された患者さんは、いよいよ退院の日を迎えます。本来、すぐにでも日常生活に戻れる状態で家に帰って頂ければ良いのですが、「点滴がはずれて何とか5分粥が食べられれば」私たちの病院からは卒業して戴くのが一般的です。あとは1-2ヶ月かけて、社会復帰まで自宅療養をお願いいたします。その間、1週間もしくは2週間毎に外来でお会いして、体調の回復をお手伝いさせて戴きます。治療が一旦終了した場合、1ヶ月毎、2ヶ月毎など、患者さんの状態に応じて外来で定期的に通ってきていただく事になります。ただし、もともとご紹介いただいた病院や近くに通院に便利な病院がある場合にはそちらの病院を主治医にしていただく事も可能です。


教育についてご協力のお願い

全ての医師は、医学生だった時代があり、どんなベテラン医師も注射の一本もうまく刺せない新米として研鑽を積んだ時期があります。筑波大学附属病院は将来医師になるべく勉強をしている医学生や、駆け出しの研修医を育てる役割も担っております。患者さんの検査を通して病気の診断を決めていく過程、手術や各種治療の過程に医学生が立ち会わせていただく事があります。医学生が一人で診察・治療を行う事はありませんのでご安心下さい。また、若い研修医の診療に際しては、必ず上級医師の監視・責任下で行いますので、何卒、病院の役割にご理解を頂きご協力をお願いいたします。尚、ご本人・ご家族が医学生との接触を望まれない場合は遠慮無くお申し出下さい。