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筑波大学医学医療系耳鼻咽喉科・頭頸部外科グループ長挨拶

　筑波大学は東京教育大学の流れをくみ、昭和48年に開学いたしました。医学専門学群はそれまでの東京教育大学にはなかったものの、筑波大学開学当初より設置され、昭和51年には附属病院も開院しております。耳鼻咽喉科・頭頸部外科は初代 吉江 信夫教授、第2代 草刈 潤 教授、第3代 原 晃 教授の指導のもと、発展してまいりました。平成31年より私が教授として科長（グループ長）を引き継ぎ、担当させていただいております。

　大学の本分は教育、研究であり、医学医療系の科としてさらに診療を加え、当科の三本柱と考えております。
　診療につきましては、安全で質の高い耳鼻咽喉科・頭頸部外科診療を実践していくことを目指しています。現在100％安全に行える医療行為はありませんが、そのような中で当科でも多くの手術治療、薬物治療を日々施行しております。患者様がその疾患に苦しんでいるという気持ちを忘れずに医師としての倫理観を持ち、しっかりとした技術研鑚の上で高度な医療を実践いただくことを科の先生全員にお願いしています。また、筑波大学附属病院は現在茨城県内で唯一の特定機能病院であり、そのような観点からも茨城県、診療圏全体の耳鼻咽喉科・頭頸部外科診療を担うべく、県内の関連病院とも密に連携をとっております。
　研究につきましては、吉江、草刈、原と当科を担当した教授はいずれも国内外で名前を馳せた有数の内耳・耳科研究者でありました。この流れを大切に、難聴で苦しむ方々をなくすべく、耳科研究をさらに推し進めて参りたいと思います。また耳科研究以外にも頭頸部癌研究、鼻科研究についても臨床研究を中心に精力的に行っております。耳科、鼻科、頭頸部外科領域の全てで新たな治療法、診断法に関する臨床研究を国内外で続けています。
　教育については、一人一人の耳鼻咽喉科・頭頸部外科の先生を大切にし、一人でも多くの高度な診療、研究を行える耳鼻咽喉科・頭頸部外科医を育ててまいりたいと思います。上述しましたように医師としての高い倫理観をベースに、知識、高度な技量を習得し、耳鼻咽喉科・頭頸部外科医としてのプロフェッショナリズムを確立していっていただきたいと思います。スタッフ全員で若い先生方、医学生、大学院生への指導に力を入れております。

　これから医療・大学を取り巻く環境は様々な面で激変していく時期と思います。多くの優秀な耳鼻咽喉科・頭頸部外科医を育てつつ、科一丸となり、しっかりとした診療、研究を行っていきたいと思います。

筑波大学医学医療系・耳鼻咽喉科・頭頸部外科 教授
田渕 経司
平成31年4月

　

2016.04 先代グループ長ご挨拶