T細胞転写因子による関節炎への影響に関する研究

関節リウマチ(rheumatoid arthritis;RA)においては、発症およびその持続にCD4+ T細胞が必須であると考えられています。CD4+ T細胞はその機能によって複数のsubsetに分類されますが、RA患者関節滑膜中や末梢血中にIL-17陽性のCD4+ T細胞が認められることが報告され、IL-17を産生するTh-17の病原性が注目されています(図1)。CD4+ T細胞subsetとの関連についてはRAの動物モデルにおいてより詳細な解析が行われており、当研究室においてもGPI誘導関節炎において抗IL-17抗体が治療効果を有することを報告しています(Iwanami K et al. Arthritis Rheum. 2008)。しかし、疾患形成におけるTh-17などのCD4+ T細胞分化制御機構に関する知見はいまだ乏しい状況です。