地域ヘルスプロモーションプログラムの目指すもの

 近年、国民のライフスタイルの変化などに伴い、生活習慣病が増加しており、住民がその人らしく健康に年齢を重ねながら活力ある生活を送るためには、一人ひとりが日常生活における食事・運動などの健康的な生活習慣を確立し疾病を予防することが極めて重要とされています。地域住民が健康で豊かな生活を送るためには、健康教育に関する高いモチベーションと専門的な知識を有し、地域に密着して健康教育活動を継続的に実践できる人材が求められています。
 筑波大学医学群では、現代社会の要請に応えるため、地域ヘルスプロモーションプログラムを導入します。これは、将来医師となる医学生が、地域の特性を生かした効果的な健康教育の重要性を知り、それを推進できる能力を修得するとともに、地域における健康教育のリーダーとして活躍する人材を養成することを目標とするものです。

【平成18年度「現代教育ニーズ取組支援プログラム」採択理由】

 国民のライフスタイルの変化に伴い生活習慣病が増加しています。QOL の向上のために医師、看護師の果たす役割は単に患者に対し、処方と支援すること以上に日常生活の内容について支援することが望まれています。本プログラムでは医学生が地域住民に日常生活において健康教育の重要性を知ると同時にそれを推進できる能力を修得し、地域における健康教育のリーダーとして活躍できる人材を養成することを目標としている点において優れています。この視座は地域を移動しようとも普遍的に要求されるものであり、教育プログラムとして備えるべき条件です。
 プログラムは段階を踏んで学生の能力を高めるシステムをとっており、最終的には学生が主体的に地域に特定付けられる疫学上の内容を把握し、この解決に向けたプログラムを自らの力で立ち上げていくこととしている点が評価されます。
 地域との連携組織は確立されており、橋渡しとなる確かなコーディネータを配置することで連携の効果を高めるようになっています。学年の進行とともに、学生が獲得した能力を評価し、認定制度を設けその成果を持って現場で仕事を行うこととしており、学生の自覚と地域住民が得る「安心」を満足させるものとなっています。卒後研修との繋がりを明確にするとさらに優れたプログラムとなると考えられます。

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