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概要

概要

事業期間:平成22年度~平成24年度

本プログラムでは、「生活習慣病」という包括的な研究テーマの下に、筑波大学医学系研究科の将来を担う若手研究者を組織的に長期に派遣することにより、研究者レベルであった海外の最先端研究拠点との連携を、組織的な研究・人材交流ネットワークに再構築(地域頭脳循環)し、筑波大学の国際競争力を協化するとともに、次世代の研究者を育成(世代頭脳循環)しています。

近年先進諸国で「生活習慣病」という共通の疾患が社会問題となっています。動脈硬化、高血圧、糖尿病、がん等に代表される生活習慣病は、個人のQuality of Lifeを低下させるだけではなく、疾病増加による社会全体の損失も計り知れません。この重大な社会的問題の解決は、先進諸国における共通の重要課題であると言えます。この問題を解決する新たな予防・治療法の開発には、生活習慣病の発症メカニズムの解明、それに基づいた予防・治療法を開発が不可欠です。

筑波大学医学系専攻は、生活習慣病発症メカニズムの解析において世界的な業績を上げています。しかしながら、大学創設からの歴史が浅く、世界最先端拠点との組織的な交流が十分形成されていないかったため、国際的な競争力や、恊働による研究の新展開が少ない傾向にありました。この問題を解決するため、本プログラムでは、包括的な研究テーマの下に、研究科の将来を担う若手研究者を組織的に長期に派遣しています。これにより研究者レベルであった海外の最先端研究拠点との連携を組織的な研究・人材交流ネットワークに再構築(地域頭脳循環)し、次世代の研究者を育成(世代頭脳循環)しています。

本プログラムでは、生活習慣病発症のメカニズム解明研究、特に国際的な競争力を有している研究について共同研究を実施するために、以下の通り共同研究及びその研究拠点を4つ設定しています。1)シグナル分子共同研究:アメリカ・デューク大学とNIH、2)腫瘍、感染免疫監視共同研究:アメリカ・カルフォルニア大学、3)TGF-bシグナル共同研究:スウェーデン・ウプサラ大学、4)慢性肺疾患研究:イギリス・エディンバラ大学。

このように、研究者レベルのネットワークを組織レベルのネットワークに強化することで、筑波大学医学系専攻の特色である「生活習慣病関連研究」を、世界一流の研究拠点と共同で展開できる優位性の確立を行っています。



期待される成果

(1)派遣される若手研究者の研究人材としての活躍及び学術振興への貢献

本事業で派遣された若手研究者は、生活習慣病研究において国際的な業績とネットワークを確立しているか、確立できる可能性を有してしていること(地域頭脳循環)が期待されます。また派遣された若手研究者が、次世代の中心的な研究者となる(世代頭脳循環)ことが期待されます。

(2)国際共同研究の成果の我が国及び国際的な学術上の課題解決への貢献

本申請計画では、近年先進諸国で共通の社会問題となっている「生活習慣病」発症メカニズム、治療法・予防法開発の研究に焦点を絞り、世界最先端の研究拠点との共同研究をより機能的に確立することを目的としています。動脈硬化、高血圧、糖尿病、がん等に代表される生活習慣病は、個人のQuality of Lifeを低下させるだけではなく、疾病増加による社会全体の損失も計り知れず、重大な社会的問題となっています。生活習慣病の発症メカニズムを解明し、それに基づいた予防・治療法を開発することは、先進諸国における共通の重要課題であり、本プログラムにより、生活習慣病に対する総合的な研究ネットワークが確立できれば、新たな予防・治療法の開発が可能になるものと考えられます。

共同研究先

共同研究先

派遣先

デューク大学、NIH (アメリカ)

デューク大学 メディカルセンター 教授 Dr. Fan Wang NIH 部門長 Dr. Julie G Donaldson

研究内容: シグナル分子についての国際共同研究

デューク大学は世界的に著明な大学の一つであるが、脂質性シグナル分子研究について、最新の設備を有している。NIHの研究環境は十分整備されている。 Dr. Wangとの共同研究により、本申請で解析を予定しているethanolamine kinase-1、phospholipase D3が同定されており、Dr. Wangが派遣学生の指導を全面的に行う。また、Dr. Donaldsonは、筑波大学で研究を行っているArfの世界的権威であり、研究材料の提供、解析への助言を行い、共同研究を実施する。

カルフォルニア大学 (アメリカ)

カルフォルニア大学・サンフランシスコ校 微生物免疫学部長/教授 Dr. Lewis Lanier 前アメリカ免疫学会会長 アメリカ科学アカデミー会員(PNASメンバー)

研究内容:腫瘍、感染免疫監視についての国際共同研究

カルフォルニア大学・サンフランシスコ校は医学系大学院を 中心とする大学で、プリオン研究のプリシナー教授を始めとする複数のノーベル生理学・医学賞受賞者が在籍する大学である。感染症、免疫学研究で優れた業績を上げており、世界有数の研究拠点である。免疫受容体研究における、遺伝子、抗体、動物モデルが整備されている。 Lanier 教授は、免疫生物学、特にNK細胞生物学の世界的権威で、筑波大学で3回特別講演を行っている。学生、教員レベルでの研究交流を実施しており、筑波大学との間でImmunity 1996, 1999やNat Immunol 2000等、6編の共同研究を実施している。白血病治療をモデル系として、腫瘍・感染免疫監視における新規受容体の機能解析を担当するとともに、派遣研究者の指導を行う。

ウプサラ大学 (スウェーデン)

ウプサラ大学・ルードヴィック癌研究所 部門長/教授 Dr. Aristidis Moustakas

研究内容:TGF-bシグナルについての国際共同研究

ウプサラ大学・ルードヴィック癌研究所は、Dr. Carl-Henrik Heldinが所長を務める、サイトカイン研究の拠点と知られている。毎年、ルードヴィック財団主催でTGF-b会議が開催されているが、その会議はウプサラ大学またはオランダ・ライデン大学で実施されており、TGF-b研究の中心的な研究拠点である。TGF-bに関する研究システムが整備されている。 Dr. MoustakasはTGF-b研究グループの部門長であり、世界的権威である。ウプサラ大学や大学の出身者を、この5年間で3名延べ5回筑波大学に招聘し、講演と学生指導を実施している。ウプサラ大学出身のDr. Peter ten Dijke(現Leiden大学)と2004年以降、6報の共著論文を発表(Mol. Cell, EMBO J, Oncogene, J Cell Sci. 等)し、共同研究を実施している。


エディンバラ大学 (イギリス)

エディンバラ大学獣医・医学部 教授 Dr.Jeremy P Bradshaw ロスリン研究所 生化学部門 教授 Dr. David Collie Stem Cell Institute Dr. Tilo Kunath

研究内容:生活習慣病治療に向けた再生医学についての国際共同研究

エディンバラ大学は、Times大学ランキングで総合20位にラ ンクされているが、特に獣医・医学研究では世界Top10に入る大学である。ロスリン研究所はエディンバラ大学と統合され、現在新研究棟が建設されており、世界最先端の研究機器が整備される予定である。 Dr. Bradshawはエディンバラ大学の国際部部長で、筑波大学との連携協定の責任者である。Dr. Collie, Kunathは肺の生活習慣病である「閉塞性肺疾患」の著明な研究者で、派遣研究者の研究指導に当たる。

ワークショップ開催について

採択者の方へ

採択者の方へ

提出書類について

渡航前

出発10日前までに提出。ただし仮払い希望者は40日前(書類に不備がない場合)。


出張届(記入例あり)
日程表(記入例あり)
不在中の国内連絡先(教員の方のみ提出してください。)
航空券の見積書、請求書、領収書(原本)、フライトスケジュール

注1 航空券をインターネットで購入する場合は、必ず支払ったことが 確認できるページをプリントして添付してください。
注2 航空券の支払い額の内訳が分かるもの(燃油サーチャージ、 入出国税、空港施設使用料等)を提出してください。
注3 航空券は安価なものとしてください。

旅費等の振込依頼書(記入例あり)

大学院生は上記の他に大学院教務で「特別研究派遣願」の手続きを行ってください。 提出先:当オフィス

渡航後

航空券の半券(出張終了後速やかに提出:紛失しないように注意してください。)
出張報告書(記入例あり) (宿泊していたことを証明するために出張報告書の「宿泊の確認」欄にチェックを入れるとともにホテル等(アパートなど)の名称を記入してください。)
ホテルの領収書(原本)、アパート賃貸等契約書の写し又は受入れ機関からの滞在証明書(宿泊施設)

年度をまたいで渡航をされる方は渡航中に上記以外にも手続きがありますのでおってご連絡をいたします。

各種証明書について

渡航にあたり下記証明書を発行しています。

英文採択通知:ひな形はこちらLinkIcon
財政能力証明書:ひな形はこちらLinkIcon

インターナショナルオフィスで発行しています。ビザ申請をするにあたり、派遣先および大使館に提出する書類として財政能力証明書が必要となります。財政能力証明書に関しましては、事前に申し出をしていただければこちらでご用意いたします。

身分証明書•在職証明書:申請書はこちら
総務係(TEL:3015,3023)が証明書を発行しています。証明書は英文でご用意できますが、多少お時間がかかりますので時間に余裕を持ってご依頼ください。

給与証明書•源泉徴収票:申請書はこちら
総務係が証明書を発行しています。証明書は英文でご用意できますが、多少お時間がかかりますので時間に余裕を持ってご依頼ください。

派遣者の安全確保等危機管理体制

海外受入れ研究者の多くは、派遣者の指導教員の留学先や共同研究者から選ばれており、研究の質とともに派遣者の安全確保についても充分な配慮がいただける派遣先を確保しています。実際に派遣する場合には旅行保険や賠償保険などに加入することを義務付けています。さらに、感染症に対する抗体のチェックは全員に行っており、海外における感染症に対する対策をとっています。また、ベトナムホーチミン市では、筑波大学が事務所を開設し、常勤の職員が配置されており、いつでも連絡が取れる体制ができています。また、現地日本領事館や日本商工会議所とも交流が深く、危機管理体制が確立しています。

ビザについて

滞在期間が長期にわたる場合、ビザの取得が義務付けられています。国によって異なりますので、詳細は各国の大使館のHPにてご確認ください。

帰国者の声

派遣帰国者の声

研究シンポジウム、派遣事業報告会の開催

海外派遣事業実施委員会および事務局では、若手研究者の研究活動を広く学内外に周知する為に、「海外派遣事業研究シンポジウム」を年に一度、開催する。派遣若手研究者は、本シンポジウムで研究の進行状況を報告する。また、本プログラム終了時点で「海外派遣事業終了報告会」を開催し、研究成果、海外拠点整備状況を報告する。

ワークショップの開催

平成23年6月13日(月)にエディンバラ大学にて第3回ワークショップ ”Workshop on Stem Cells and Regenerative Medicine”  が開催されました。筑波大学からは、大根田修教授、桝正幸教授、澁谷彰教授、依馬正次先生、高橋智教授 (発表順) が参加されました。
LinkIconワークショップ
LinkIconプログラム

共同研究による研究成果

2011.08.23
エディンバラに平成22年度に派遣された、長野真澄助教が参加したプロジェクトの研究成果が、Nature Communicationsに掲載されました。医学系における筑波大学とエディンバラ大学との共同研究の最初の成果です。詳細はこちらをご参照下さい。

海外拠点大学視察報告

平成22年度

LinkIconエディンバラ大学
LinkIconアメリカ国立衛生研究所
LinkIconカルフォルニア大学

研究報告

平成22年度

LinkIcon長野 真澄
H23.1.18~H23.3.9
Institute for Stem Cell Research,University of Edinburgh

LinkIcon鈴木 篤史
H23.3.16~H23.3.31
Department of Cell Biology
Duke University

LinkIcon秋山 雅博
H23.3.16~H23.3.31
Department of Cell Biology
Duke University

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