領域略称名:
先端脳
領域番号:
005
研究期間:
平成12年度〜平成16年度
領域代表者:
井原 康夫
所属機関:
東京大学大学大学院医学系研究科

 人が人たる所以は、外界の出来事を認知し、記憶し、考察し、思想と感情を持って行動し、文化を生み出すところにある。これらの現象は、脳の複雑な神経回路網に支えられているとともに、脳に発現する遺伝子に制御された様々な機能分子によっても支えられている。また、こうした精緻な脳の機構に破綻が起こることによって例えばアルツハイマー病における痴呆などのような様々な脳の病態が生じる。
 こうした脳の機能や病態を解明することを目的とする脳科学は巨大な学問分野であり、21世紀に生きる人類に与えられた大きな課題である。このため、本領域では、以下の研究項目を設定し研究を推進する。研究項目Aでは、脳の発生や発達の機構および脳の老化の機構を解明する分子細胞生物学あるいは機能生理学的研究、及びその老化を基盤とするアルツハイマー病やパーキンソン病などにおける神経細胞変性の病態を解明する先端的研究を推進する。また、研究項目Bでは、痴呆を克服するために解明が必要な記憶・学習・思考など大脳高次機能の脳内機構に対して、分子生物学、機能生理学、モデル脳などの観点からアプローチする先端的研究を推進する。
 「計画研究」により重点的に研究を推進するとともに、これらに密接に関連する一人又は少数の研究者による年度当たり申請額300〜1,000万円程度で2年以内の意欲的な研究を公募する。
(研究項目)
脳の発生における分子細胞生物学的研究
脳の発達生理機能の研究
脳の老化及び病態に関する研究
(アルツハイマー病をはじめとする痴呆性疾患の病態機序解明)
脳細胞の変性に関する研究(種々の神経変性疾患の病態機序解明)
記憶・学習・思考の分子生物学的研究
システム回路形成およびその機能の研究
モデル脳による記憶・学習・思考の研究

平成15年度公募研究
平均配分額
一般枠 5,519千円
最高配分額
7,100 千円
若手枠 4,450千円
6,500 千円