第20回免疫学セミナー・医科学セミナーVのお知らせ

演者: 中山 睿一 博士
           岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 免疫学 教授

演題: “がん抗原と宿主免疫応答"

平成17年10月28日(金)
午後17:00-18:00
医学系学群棟 4階 4A411


講演内容: 
 がん抗原の存在が実験的に証明されたのは、今から約50年も前のことであるが、近 交系マウスに誘発した腫瘍を同系の免疫マウスに移植すると拒絶されることが明らか になった。ついで、このような腫瘍拒絶を引き起こす細胞性機構についての研究が進 み、拒絶に関与するのは主としてCD8 T細胞で、CD4 T細胞、さら砲蝋蛎里皺燭蕕・ 関 与をしていると考えられるようになった。さらに、腫瘍が、宿主の抗腫瘍免疫応答 を 回避する機構も明らかになってきた。
 
一方、ヒトがんについて、1990年代になってT細胞が認識するがん抗原が分子レベル で明らかにされたが、ヒトがんには、種々のがん抗原が発現し、がん患者は、これら の抗原に対して免疫応答を起こすことが明らかにされた。がん抗原には、がん・精巣 (cancer/testis, CT)抗原、分化抗原、突然変異抗原などいくつかの種類があるが、 これらのうち、CT抗原は、種々のがんに発現し、正常組織では精巣に発現が限られ る。このような発現特異性から、CT抗原は、がんワクチン標的分子として期待されて いる。本講演では、がん免疫応答の基礎から、我々が行ったCT抗原のひとつである NY-ESO-1に対するワクチンの第一相臨床試験の成績までも含めて発表したい。



問い合わせ先 :  人間総合科学研究科基礎医学系・
                          免疫学免疫学・渋谷 彰  (ashibuya@md.tsukuba.ac.jp
                         029-853-3281

たくさんのご来場お待ちしております。

渋谷
(代・添田)