第23回免疫学セミナーのお知らせ


演者:藤田 禎三 博士
     福島県立医科大学免疫学・教授




演題: 自然免疫における補体レクチン経路の役割


平成18年 3月17日(金)
午後17:00-18:00
医学専門学群棟 4A411



講演内容: 
  高等動物における免疫系は、特異的な認識機構とその記憶に特徴を持つ獲得免疫(aquired or adaptive immunity)と、
初期感染防御において重要な働きをする自然免疫または先天性免疫(innate immunity)に分けることができる。
後者の自然免疫は、原始的であるため、獲得免疫を持たない下等動物においても普遍的に生体防御に機能している可能性がある。
補体系は、抗体を認識分子として機能する古典的経路が先に発見されたため、抗体を補うという意味で補体と名付けられたが、
近年、レクチンを認識分子として機能する新たな補体活性化経路、レクチン経路が発見され、
自然免疫の中で重要な働きをすることが明らかになりつつある。

 自然免疫において生体に侵入した病原体を非自己と認識する機構は、パターン認識と呼ばれ、微生物上に保存されている
pathogen-associated molecular patterns (PAMPs)に対する認識機構であると考えられている。このパターン認識分子は、
胚細胞(germ line)にコードされ、獲得免疫の認識分子(抗体とT細胞レセプター)が遺伝子の再構成によって多様性を
得ていることときわだった違いを示している。このようなパターン認識分子として補体系蛋白のマンノース結合レクチン
(mannose-binding lectin;MBL)とフィコリンが存在する。そこで、本講演では、補体系の概略を含めて、
補体レクチン経路の役割について講演する。

問い合わせ先 :  人間総合科学研究科基礎医学系・
                          免疫学免疫学・渋谷 彰  (ashibuya@md.tsukuba.ac.jp) 
                          029-853-3281



たくさんのご来場お待ちしております。