第28回免疫学セミナーのお知らせ

演者:菊谷 仁 先生
 大阪大学 微生物研究所 教授

平成18年 10月27日(金)
午後17:00-18:00

医学系学系棟 4B482


講演内容: 
セマフォリンファミリーは、神経軸索のガイダンス因子として機能し、神経回路形成に必須の分子群として知られている。しかし、これらのセマフォリン分子が神経系以外の組織の発生や、個体発生の後のホメオスターシス維持においても機能していることが明らかになりつつある。例えば、クラスVIセマフォリンサブファミリーに属するSema6Dは、Plexin-A1を介して心内皮細胞や心筋細胞の遊走を制御し、複雑な心臓の形態形成に寄与している。一方、免疫系においてもSema4AやSema4D等のクラスIVセマフォリンが種々の細胞に発現しており、神経系とは異なる受容体を介してT細胞や抗原提示細胞の活性化を調節している。また最近、Sema6D-Plexin-A1相互作用が、樹状細胞の機能や破骨細胞の分化を制御していることも明らかになってきた。これら私達の最近の研究を紹介するとともに、セマフォリン分子とその受容体が免疫病治療の分子標的になり得るのか等について考察したい。
(参考文献)Nature Cell Biology 8:617, 2006; Immunity 22:305, 2005; Nature Neuroscience 8:1712, 2005; Nature Cell Biology 6:1204, 2004; Genes & Development 18:435, 2004; Nature Review Immunology 3:159, 2003; Nature 419:629, 2002


問い合わせ先 :  人間総合科学研究科基礎医学系・
                          免疫学免疫学・渋谷 彰  (ashibuya@md.tsukuba.ac.jp
029-853-3281


たくさんのご来場お待ちしております。