第29回免疫学セミナーのお知らせ

演者:辻 典子 先生
 独立行政法人 産業技術総合研究所
年齢軸生命工学研究センター・免疫恒常性チームリーダー

平成18年 11月17日(金)
午後17:00-18:00

医学系学系棟 4B482


講演内容: 
消化管は、腸内細菌や飲食によりとりこまれる食物成分・微生物等の環境因子が豊富であるため、
自然免疫シグナルの影響をもっとも直接的・恒常的に受ける場所と考えられる。
私たちは経口免疫寛容現象を解析する中で、
小腸パイエル板が抗原特異的な誘導型制御性T細胞の発現の場として重要な役割をもつこと、
パイエル板免疫制御性細胞の機能成熟は内在性IL-18に依存することを示した。
経口免疫寛容が成立しないいくつかの実験系において、
プラズマサイトイド様樹状細胞およびCD25-CD103+ T細胞が減少するが、
これら細胞群は自然免疫シグナルによりパイエル板に集積し、
免疫制御性細胞の機能成熟を通して消化管免疫と全身性免疫のクロストークに関与すると考えられた。
また、消化管免疫のもうひとつの大きな特徴はIgAの産生であるが0、
無菌マウスやMyD88(-/-)マウスではIgA産生が大きく低下している。
このように、消化管免疫(獲得免疫)のさまざまな特性の発現は自然免疫シグナルに大きく依存することを、
マウス実験系の例をあげてご紹介したい。



問い合わせ先 :  人間総合科学研究科基礎医学系・
                          免疫学免疫学・渋谷 彰  (ashibuya@md.tsukuba.ac.jp
029-853-3281


たくさんのご来場お待ちしております。