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お知らせ

2019.11.13

免疫チェックポイント阻害剤使用により冠攣縮性狭心症を来した症例報告論文(大津和也先生、田尻和子先生)を「European Heart Journal」に発表

免疫チェックポイント阻害剤を用いたがん免疫療法は、様々な悪性腫瘍で有効性が示されており、今後さらに使用が拡大することが予想されています。免疫チェックポイント阻害剤より抗腫瘍免疫が活性化され、抗がん作用が発揮される一方、自己免疫の賦活化によると考えられる免疫関連有害事象の発生が問題となっています。心臓への有害事象の発生頻度は1%程度とされていますが半数が致死性の経過をたどるとされ、注意が必要です。臨床像は多彩で、心筋炎、たこつぼ型心筋症、伝導ブロック、致死性不整脈、心膜炎、心タンポナーデ等の報告がありますが、冠動脈疾患の報告は稀です。

本論文は腎細胞癌に対して免疫チェックポイント阻害剤開始数日後から典型的な冠攣縮性狭心症の症状を呈し、冠動脈造影検査で確定診断を得た症例を報告致しました。今後、免疫チェックポイント阻害剤の使用はますます増加していくことが見込まれており、循環器医も多彩な心臓有害事象に対応していく必要があると考えます。

Vasospastic angina following immune checkpoint blockade.
Otsu K, Tajiri K, Sakai S, Ieda M.
Eur Heart J. 2019 Nov 7. pii: ehz796. doi: 10.1093/eurheartj/ehz796.

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