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お知らせ

2019.11.13

2019年2月から循環補助用心内留置型ポンプカテーテル IMPELLA (インペラ)を導入 担当:平谷太吾先生

当院では2019年2月から、循環補助用心内留置型ポンプカテーテル IMPELLA (インペラ)が使用可能になりました。IMPELLA (インペラ)は心原性ショックの患者に適応される循環補助装置です。心原性ショックとは、急性心筋梗塞、心筋症、心筋炎など心疾患が原因でショック状態に陥った状態で、院内死亡率 30~50%と言われる重篤な病態です。

これまで心原性ショックに対して使用されてきた循環補助装置として、大動脈バルーンパンピング (IABP)や経皮的心肺補助装置 (PCPS)などがありました。いずれも有用な装置ではありますが、大動脈バルーンパンピング (IABP)は補助が十分ではない、経皮的心肺補助装置 (PCPS)は、補助流量は十分なものの、大腿動脈からの逆行送血であるため心臓に対して後負荷がかかる、などの欠点がありました。

IMPELLA (インペラ)は、2017年9月より本邦で使用可能となった補助循環用ポンプカテーテルです。左心室内に留置し、左心室内の血液を吸入し、上行大動脈から吐出します。これにより順行性に流量補助ができるだけでなく、左心室内から直接血液を汲み出すことで心負荷を軽減し、心臓の回復が期待できる有用な循環補助装置です。

これまで順行性に流量補助ができる装置として補助人工心臓 (LVAD)がありましたが、補助人工心臓を挿入するには外科的手術が必要でした。それに対し、IMPELLA (インペラ)は大腿動脈から経皮的に挿入可能なポンプカテーテルであり、迅速かつ低侵襲に挿入できるのが特徴です。ただしIMPELLA (インペラ)の使用日数には限度があり、中長期的に循環補助を要する場合には、次の手段に移行することが必要となります。

当院では、循環器内科のほか、心臓血管外科、麻酔科などの医師、さらに臨床工学技士、放射線技師、看護師などで構成されるハートチームにより、重症心不全患者を診療しています。IMPELLA (インペラ)の適応※と考えられる患者さまがいらっしゃいましたら、ぜひご連絡ください。

適応:心原性ショック等の薬物療法抵抗性の急性心不全。
特に、
①急性心筋梗塞
②劇症型心筋炎
③低左心機能患者にPCPSを挿入した際の左室ベント目的での併用
紹介窓口:担当者 平谷太吾

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