ロータブレーターは経皮的冠動脈形成術 (PCI)において、高度石灰化病変に対して使用される高速回転式アテレクトミーカテーテルです。近年、より複雑な病変にPCIの治療適応が拡大するなかで、全PCIのおよそ3%にロータブレーターが用いられています。有効な治療であるものの、稀ながら冠動脈穿孔などの致死的合併症が発生することがあります。

本論文は左前下行枝にロータブレーターを用いたPCIを施行した際に、ワイヤー断裂と左主幹部穿孔が発生したものの、後遺障害なく回復した症例を報告しました。予期せぬ合併症が発生したときにも、冷静な緊急対応をとることが重要であると考えます。

Life-threatening perforation of the left main coronary artery by a rotablator burr delivered on a broken rotawire.
Hiraya D, Sato A, Hoshi T, Ieda M.
Eur Heart J. 2020 Apr 15. pii: ehaa249. doi: 10.1093/eurheartj/ehaa249.