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お知らせ

2020.05.11

心筋深層部に起源を有する難治性心室頻拍に対するBipolar ablationの急性期および慢性期効果に関する研究成果(五十嵐都先生)を『Heart rhythm』に発表

通常のアブレーションは1本のカテーテルと対極板の間で通電するUnipolar ablationですが、十分深く熱が届かないため心筋深層部に回路を含む不整脈の治療における効果は限定的とされています。そこでこの研究では基礎疾患を有する難治性心室頻拍(VT)症例18例に対して2本のカテーテル間で通電するBipolar ablationを行い、効果と安全性について評価しました。その結果16例においてBipolar ablationによりVTを誘発不能とすることができました(急性期成功率89%)。

主な合併症としては、完全房室ブロック2例、冠動脈閉塞1例を認め、冠動脈閉塞例ではステント留置を必要としました(図1)。1年間の観察期間中、再発は8例(44%)と比較的高かったですが、死亡率は低く予後は良好であることが分かりました(図2)。また再発例においてもVT発生の頻度は著明に下がり(図3)、治療前には非常にコントロールに苦慮した症例に対して有効性を示せたものと考えます。

Acute and long-term results of bipolar radiofrequency catheter ablation of refractory ventricular arrhythmias of deep intramural origin.
Igarashi M, Nogami A, Fukamizu S, Sekiguchi Y, Nitta J, Sakamoto N, Sakamoto Y, Kurosaki K, Takahashi Y, Kimata A, Komatsu Y, Machino T, Kuroki K, Yamasaki H, Aonuma K, Ieda M.
Heart Rhythm. 2020 Apr 27. pii: S1547-5271(20)30348-9. doi: 10.1016/j.hrthm.2020.04.028.

図1

図2

図3

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