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お知らせ

2021.05.27

礒見先生、家田先生が生体内リプログラミングによる心臓再生に関する研究論文を『Circulation』に発表

心臓を構成する心筋細胞は再生能力が乏しく、心機能が著しく低下した場合の根本的な治療法は心臓移植しかありません。しかし、ドナー不足などの問題があり、十分な治療の提供は困難です。本研究グループはこれまでに、心臓の再生医療実現を目指して、線維芽細胞から直接心筋細胞を誘導する「心筋直接リプログラミング法」を開発しています。しかしながら、生体内の心臓線維芽細胞に心筋リプログラミング遺伝子を導入して作製する心筋細胞が、真に心臓線維芽細胞由来の誘導された再生心筋細胞か、あるいは心臓線維芽細胞と周囲の心筋細胞が融合した見かけ上の再生心筋細胞かは不明でした。そこで本研究では、細胞の系譜と融合を明らかにできる遺伝子改変マウスを作成し、これを検討しました。その結果、生体内で新たに作製された心筋細胞の多くが、心臓線維芽細胞由来の真の再生心筋細胞であることを明らかにしました(図1)。本研究成果は心疾患に対する新しい再生医療実現を前進させるものです。本成果は2021年5月25日に国際科学雑誌『Circulation』に発表されました。

筑波大・AMEDプレスリリース:
https://www.amed.go.jp/news/release_20210525-03.html

論文
Overexpression of Gata4, Mef2c, and Tbx5 Generates Induced Cardiomyocytes via Direct Reprogramming and Rare Fusion in the Heart
Mari Isomi, Taketaro Sadahiro, Hiroyuki Yamakawa, Ryo Fujita, Yu Yamada, Yuto Abe, Yoshiko Murakata, Tatsuya Akiyama, Tsugumine Shu, Hiroaki Mizukami, Keiichi Fukuda, Masaki Ieda. Circulation. 2021. doi: 10.1161/CIRCULATIONAHA.120.052799.

図1

心筋梗塞4週間後のマウス心臓の観察。
(左図)細胞融合による心筋細胞(黄色部分)と、(右図)心筋リプログラミングにより誘導された真の再生心筋細胞(緑色部分)

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