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お知らせ

2022.06.03

「免疫チェックポイント阻害薬による筋炎合併心筋炎のケースシリーズとシステマティックレビュー」論文(中込祐紀先生、田尻和子先生)を「Frontiers in Pharmacology」誌に発表

免疫チェックポイント阻害薬(ICI)は近年さまざまながん種に用いられ有効性を発揮している一方、免疫関連有害事象と呼ばれる副作用が問題となっている。中でも、ICI関連筋炎合併心筋炎は特に予後が悪いことが報告されているが、発症率<1%と非常に稀な合併症であるためその病態は不明な点が多い。そこで我々は、筑波大学附属病院で経験した4例のケースシリーズと、既報論文14例を用いたシステマティックレビューを報告した。心筋炎と筋炎の活動性を、それぞれ心筋トロポニンとクレアチンキナーゼ(CK)で評価したところ、ほとんどの患者でトロポニン値のピークはCK値のピークより遅く出現し,初期ステロイド治療後全例でCK値は速やかに低下したのに対し、トロポニン値はほとんどの患者でステロイド治療後にむしろ再上昇していた。このことは、筋炎にくらべて心筋炎はステロイド抵抗性であることを示している。また、CKが正常化した後も、長期にわたりトロポニンは異常値を呈していた。本研究により、ICI関連心筋炎は難治性であり、長期の観察が必要であることが明らかとなった。

Yuki Nakagomi, Kazuko Tajiri, Saori Shimada, Siqi Li, Keiko Inoue, Yoshiko Murakata, Momoko Murata, Shunsuke Sakai, Kimi Sato, Masaki Ieda. Immune Checkpoint Inhibitor-Related Myositis Overlapping With Myocarditis: An Institutional Case Series and a Systematic Review of Literature. Front Pharmacol 2022;13:884776.

 https://internal-journal.frontiersin.org/articles/10.3389/fphar.2022.884776/full

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