お知らせ
2024.09.19
仲野晃司先生が心筋細胞を再生する心筋直接リプログラミング法に最適なウイルスベクターの開発に関する論文を「Stem Cell Reports」に発表
iPS細胞とは異なるアプローチとしての心臓再生法として心筋直接リプログラミング法があります。培養皿上やマウスの生体内で、心臓線維芽細胞から心筋細胞への作製は報告されておりますが、これまで用いていたウイルスベクターではゲノム損傷などの可能性がありました。より安全に、より効率的に遺伝子治療を行うために、新規ウイルスベクターの開発をする必要がありました。そこで我々はすでに広く臨床応用されているアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターに注目し、心筋直接リプログラミングに適したAAVベクターを開発しました。このAAVベクターによって、心臓線維芽細胞特異的に心筋直接リプログラミングを行うことができ、マウスにおいて心機能の改善や線維化面積の減少を示しました。本研究によって、心筋直接リプログラミングに適したAAVベクターを開発することができました。今後、このウイルスベクターを用いた心臓再生法への発展が期待できます。今回の研究成果は2024年8月21日に国際科学雑誌『Stem Cell Reports』に発表されました。
Development of adeno-associated viral vectors targeting cardiac fibroblasts for efficient in vivo cardiac reprogramming
Stem Cell Reports, 5 September 2024. DOI: 10.1016/j.stemcr.2024.08.002