お知らせ
山本昌良先生が心アミロイドーシスの病理診断に関する研究論文を『Canadian Journal of Cardiology』に発表
詳 細
心アミロイドーシスの病理診断において電子顕微鏡検査を併用することで診断感度が上がることが想定されていますがそれを検証した研究はありませんでした。本研究は当院で病理診断された心アミロイドーシス患者65名を対象に電子顕微鏡検査を併用することの有効性を検証しました。65名中60例は光学顕微鏡と電子顕微鏡の両者にてアミロイド沈着が証明されましたが、残りの5例では2例は光学顕微鏡のみ、3例は電子顕微鏡のみにおいてアミロイド沈着が証明されました。どちらか一方の方法のみでアミロイド沈着が証明された症例は左室壁厚が薄く、左室駆出率が低く、血行動態的にも肺動脈楔入圧や右房圧が低いといった特徴がありました。以上より、①電子顕微鏡検査を併用することは比較的病初期の心アミロイドーシスの診断感度を高める可能性がある②電子顕微鏡検査においてもサンプリングエラーによるものか、アミロイド沈着を検出できない可能性がある、ことを発表いたしました。
論文名
Diagnostic Value of Combined Light and Electron Microscopic Examination in Endomyocardial Biopsy in Patients with Cardiac Amyloidosis
著者名
Masayoshi Yamamoto, Yu Yamada, Taketaro Sadahiro, Kimi Sato, Tomoko Machino-Ohtsuka, Nobuyuki Murakoshi, Masaki Ieda, Tomoko Ishizu
掲載雑誌
Can J Cardiol. 2024 November 12, doi: 10.1016/j.cjca.2024.11.007.
図 左室肥大は軽度であるが電子顕微鏡検査によりアミロイド沈着が検出された症例