お知らせ
2025.03.31
木野旅人先生,山崎浩先生がSVC-RAリエントリー性心房頻拍に関する論文を『Heart Rhythm』に発表
詳 細
心房頻拍はfocal型とマクロリエントリー型に分類されますが,アブレーション治療戦略において,focal型は最早期興奮部位を点状または面状焼灼,マクロリエントリー型は頻拍回路を離断するように線状焼灼を行うため,両者の鑑別が重要です.本症例は,頻拍中の12誘導心電図からは左房起源が疑われ,頻拍中のActivation mapからも左房前壁天蓋部を最早期興奮部位とするfocal型と思われましたが(図A),実際は前回のアブレーション時に施行した上大静脈(superior vena cava; SVC)-右房(right atrium; RA)接合部の2つのgapを介し,RA-SVC後壁からSVC内に興奮伝播しSVC-RAに中隔から抜けるSVC-RAのリエントリー型であることが明らかになりました(図B).頻拍はgapへの通電で速やかに停止しました.本頻拍は右房起源のリエントリー性頻拍が心外膜のBachmann束を介して左房に伝導したために,左房前壁天蓋部のfocal 型心房頻拍を疑わせる所見を呈した1例と考えられました.
論文名
Right Atrium and Superior Vena Cava Reentrant Tachycardia Masquerading a Focal Tachycardia from the Left Atrial Roof
著者名
Tabito Kino, Hiro Yamasaki, Yuki Komatsu, Miyako Igarashi, and Tomoko Ishizu
掲載雑誌
Heart Rhythm. 2025:S1547-5271(25)02233-7. doi: 10.1016/j.hrthm.2025.03.1971
