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心血管インターベンションに
対する遠隔診療支援

筑波大学附属病院循環器内科では、平成29年9月から医師不足地域での心血管インターベンションにおいて、遠隔映像配信システムを用いた診療支援を開始致しました。遠隔地に勤務する循環器専門医が、限られた人的資源の中でも安全かつ確実なカテーテル治療を提供できるように、筑波大学の指導医が映像配信システムと音声を用いて診療を支援しています。
この心血管インターベンションに対する遠隔診療支援は本邦初の取り組みです。

実例紹介(神栖済生会病院)

神栖済生会病院(以下、同院)は、医療過疎が問題とされる茨城県南東部の鹿行地域に位置しています。当科では、約80km離れた同院に対して、遠隔映像配信システムとマイクロフォンを用いて画像と音声のリアルタイムな交信を行い、心血管インターベンションに対する遠隔診療支援を行っています。(図1)

遠隔映像配信システム

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 同院の術者モニター画像には、映像管理システムを用いて様々な情報を投影し、統合することが可能(矢印1-2)。
 統合された術者モニター画像を、映像配信サーバーを介して当科カンファレンス室内に設置した指導医用モニターにリアルタイム(0.2秒以内)に配信(矢印3-5)。
 当科カンファレンス室内の指導医用モニターに配信された画像に、指導医が印や文字(図中、白丸で示した赤いラインと矢印)を書き込み、その書き込みが映像配  信サーバーを介してリアルタイムに同院の交信用モニターに反映(矢印6-9)。

同院には日本循環器学会認定循環器専門医が2名勤務しており、それぞれが第一術者として心血管インターベンション(冠動脈ステント留置術およびカテーテル心筋焼灼術)における現場の手技を担当します。当科の指導医は、遠隔地から第二術者として画像と音声を用いて参加・支援します。
遠隔診療支援下の心血管インターベンションの実際の様子を図2に提示します。冠動脈起始異常を有する患者さんにおいて、右冠動脈の起始部を探している場面です。

A:同院と当科で共有している画面。白丸で示した赤いラインは、指導医が第一術者へ、想定される右冠動脈の走行を視覚的に伝えるために書き込んだもの。
B:当科カンファレンス室で指導医が指導をしている様子。
C:同院血管造影室での術者の様子。

このように、医師が不足する地域において心血管インターベンションに従事する専門医に対し、当科の経験豊富な指導医が画像と音声を用いてリアルタイムに知識と経験を共有・支援することで、治療戦略やエンドポイントの決定などを十分に検討し、安全かつ過不足のない治療につながると考えられます。

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