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生殖内分泌診療
a. 基本的な診療の方針
 産婦人科生殖内分泌分野は、不妊症・不育症・無月経・思春期異常など、生殖や卵巣子宮を調節するホルモンに関連する疾患を担当します。1970年代終わりごろから、世界的な風潮として体外受精が注目を集め、生殖医療の分野がめざましく発達しました。当院でも現在は生殖医療が生殖内分泌の主要部となっています。しかし不妊患者さんを妊娠させることだけが目的と考えず、患者さんが将来妊娠するための能力(妊孕性)を獲得・維持すること、患者さんが無事に出産まで迎えること、出産を終えた後も長く健康に生きることを視野に入れた医療が大切と考えます。不妊症の患者さんは、子宮内膜症・多嚢胞性卵巣症候群・早発閉経など、個別に婦人科の問題を抱えていることも多く、それらも課題にしたいと思います。

b. 生殖医療
 不妊症の原因を調べるために必要な検査として、子宮・卵巣の異常、排卵の有無、卵管の疎通性、精液検査など系統的な基本検査を行い、原因を明らかにしたうえで治療を行います。排卵に合わせたタイミング療法、人工授精、排卵誘発、ホルモン療法などを一般不妊治療として行っています。体外受精・顕微授精・胚凍結保存・融解胚移植などの生殖補助医療も行っています。不育症の原因を調べるのに必要な検査として、子宮の異常、染色体検査、抗リン脂質抗体症候群などの検査を行い、抗リン脂質抗体症候群に対するヘパリン・アスピリン療法も行っています。不妊症の原因となる子宮内膜症、子宮筋腫、子宮内膜ポリープ、卵管水腫、多嚢胞性卵巣症候群などの疾患に対しては、内視鏡(子宮鏡・腹腔鏡)をとりいれた手術を行っています。

c. がん・生殖医療
 若年のがん患者さんは、抗がん剤・放射線などの治療を受けた場合、その影響によって卵巣の機能が低下し、妊孕性を失う危険があります。がん治療を開始する前に、妊孕性を温存する医療のことをがん・生殖医療といいます。 がん・生殖医療における妊孕性温存の方法として代表的なものは、胚・未受精卵子・卵巣の凍結保存です。当院では近郊の医療機関と協力しながら、凍結保存を希望するがん患者さんへの情報提供、凍結保存の実施などを積極的に行っています。

d. 若年性無月経・思春期異常に対する診療
 原発性・続発性無月経や早発閉経、思春期の異常などの問題を有する患者さんのために、診断を目的とした専門的検査を行います。診断が確定した後は、適切な治療と、患者さんの妊孕性の維持とヘルスケアの両方を目的としたホルモン療法や定期健診などを行います。ホルモン療法は地域の医療施設と協力しながら行うことも可能です。

e. 筑波学園病院、筑波大学附属病院男性生殖外来との連携
 連携施設である筑波学園病院産婦人科は、当院よりも多数の体外受精を実施している不妊治療専門医療機関です。大学病院が抱える通院のアメニティーの問題を補うために、協力を頂いています。また当院腎泌尿器外科の男性生殖外来では、男性不妊症の診療を専門的に行っています。男性側に原因を有する不妊患者さんに対して、薬物療法、手術療法などを積極的に行っています。