抗SS-A抗体陽性女性の妊娠中の管理状況に関する多施設調査

疫学研究実施についてのお知らせ
筑波大学膠原病リウマチアレルギー内科では、抗SS-A抗体陽性女性の妊娠中の管理指針の作成を最終目的として、多施設との協同で以下の疫学研究を実施しております。概要を記しますのでご理解の程お願いします。 平成21年9月
【研究課題名】
抗SS-A抗体陽性女性の妊娠中の管理状況に関する多施設調査

【研究期間】
2010年3月まで

【研究の意義・目的】
お母さんの抗SS-A抗体が胎盤を通して赤ちゃんに生ずる病気を新生児ループスといいます。そのうちのひとつの症状である心ブロック(房室ブロック)は、その発生頻度は抗SS-A抗体陽性妊娠例の約1%と非常に低いのですが、心臓の電気の流れ道が遮断され、生後ペースメーカーが必要になる可能性のある重大なものです。抗SS-A抗体は全身性エリテマトーデスやシェーグレン症候群の患者さんばかりでなく、症状の無い女性でも陽性のことが多く、1年に1万人の抗SS-A抗体陽性者が出産すると推測されています。従って、1年に100人前後の赤ちゃんにお母さんの抗SS-A抗体が原因と思われる心ブロックが発症していることになりますが、その実態はあまり明らかにされていません。

我々はその実態を明らかにし、最終的には抗SS-A抗体をもつ女性が妊娠したときにどのように診療すればよいかという指針を作成したいと考え、厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業)による研究班(胎児・新生児障害の原因となる自己抗体陽性女性の妊娠管理指針の作成)を発足しました。

本研究は、全国調査に先立ち、その実現可能性をみることを目的に、班員が所属する研究施設で行うものです。

【研究の方法】
対象:抗SS-A抗体陽性で、2002年3月〜2010年3月までに妊娠が終了した方
方法:診療録(カルテ)から必要なデータを抽出しまとめて解析します。解析結果は学会や学術雑誌で発表するとともに、国立成育医療センターのホームページでも公開します。

【研究機関名】
国立成育医療センター
順天堂大学
筑波大学
大阪母子保健総合医療センター
九州大学
久留米大学

【個人情報の保護について】
診療録からデータを抽出する際に、個人を同定できる情報は削除します。また、その後のデータ解析・保管におきましてもセキュリティに十分配慮いたします。調査資料は全国調査が終了するまで研究代表者が保管します。

【本研究に関する問合せ先】
施設責任者
筑波大学附属病院 膠原病リウマチアレルギー内科 教授 住田孝之
TEL:029-853-3186

研究代表者
国立成育医療センター 周産期診療部母性内科 村島温子
TEL:03-3416-0181