研究課題「法医解剖症例における全ゲノム解析の死因究明と損傷評価への応用」について
筑波大学医学医療系法医学では、筑波剖検センターと共同して標題の研究を実施しております。
本研究の概要は以下のとおりです。
- 研究の目的
本研究の目的は司法解剖の質の向上を通じた法医学の発展です。遺伝子解析技術を応用した 新たな死因究明・法医解剖の開発が見込まれます。
- 研究対象者
筑波大学法医学と筑波剖検センターにおいて法医解剖が施された全てのご遺体が対象です。
- 研究期間
倫理審査委員会承認後から2029年3月31日までを研究期間として計画しています。
- 研究の方法
法医解剖の過程で採取される血液や組織からDNAやRNAを抽出し、全ゲノム解析や全エクソ ーム解析を行います。また組織片や臓器片に対して引張試験や弾性率測定装置による力学的 解析を行います。得られた結果を年齢・性別・死因・死亡状況・各種血液検査・薬毒物検査 結果・死後画像診断結果等と併せて解析し、相互の関連を調べます。
さらに詳しい遺伝子解析が有用であると考えられた場合には、ご遺族にご連絡を差し上げ、 詳細のご説明や、ご遺族の研究参加について、ご相談させていただく場合があります。
- 試料・情報の項目
法医解剖の過程で得られる死亡状況に関する情報と、法医解剖の過程でご遺体から得られる 血液・組織等を使用します。
- 個人情報の保護について
試料・情報は、個人が特定できるような情報、例えば氏名・住所・生年月日等の情報を削除 するか別の記号や番号に置き換えて研究に利用されます。成果を発表する際にも個人が特定 できるような情報は削除されます。またこの研究で得られた情報等をこの研究期間終了後に 使用する際は、筑波大学医の倫理委員会に改めて申請し、承認を得てから行われます。なお 提供先の機関名、提供先における利用目的が妥当であること等について倫理審査委員会で審 査をしたうえで、研究結果を他の機関へ提供する可能性があります。
希望がある場合、他の研究対象者の個人情報保護等に支障のない範囲で、この研究に関する 資料や研究計画書を入手・閲覧することができます。
- 期待される利益や予測される不利益等について
この研究に参加することで直接受けることができる利益や不利益はありません。なお、この研究の結果により特許権等の知的財産や経済的利益が生み出された場合、その知的財産権等は研究者もしくは研究機関に帰属します。
- 研究の資金源について
この研究は、教育研究経費および科学研究費助成事業の研究助成を得て実施されます。
利益相反はありません。
- 試料・情報の管理について責任を有する者
高橋遥一郎(筑波大学医学医療系法医学教授)
- 本研究への参加を希望されない場合
本研究への参加を希望されず、ご遺体の試料・情報の利用停止を希望される場合は、下記の問い合わせ先へご連絡ください。すでに結果が公表されている場合など、ご希望に添えない場合もございます。
- 問い合わせ連絡先
〒305-8575 茨城県つくば市天王台1-1-1 筑波大学医学医療系法医学 高橋遥一郎
電話:029-853-3043 FAX:029-853-3264
対応可能時間:平日9~17時