筑波大学 医学系インターナショナルオフィスwebサイト ti2012

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2012年8月19日から9月1日にかけて、台湾国立大学においてサマースクールin台湾2012が開催されました。先だって筑波大学で行われたサマースクール2012に参加した筑波大学の学生ら12名が参加し、台湾国立大学にて2週間のプログラムに参加しました。

 最初の一週間はラボローテーションで、学生たちはそれぞれ9つのラボに分かれ、各研究室で指導を受けました。
 学生たちを受け入れたラボは下記の通りです。

Lab of Chien-Kuo Lee 李建國 Graduate Institute of Immunology
Lab of Han-Yi E. Chou 周涵怡 Graduate Institute of Oral biology
Lab of Hsinyu Lee 李心予 Institute of Zoology
Lab of Li-Ying Sung 宋麗英 Institute of Biotechnology
Lab of Shi-Chuen Miaw 缪希椿 Graduate Institute of Immunology
Lab of Shih-Shun Lin 林詩舜 Institute of Biotechnology
Lab of Shih-Torng Ding 丁詩同 Department of Animal Science and Technology
Lab of Tang-Long Shen 沈湯龍 Department of Plant Patology and Microbiology
Lab of Tsai-Kun Li 李財坤 Graduate Institute of Microbiology

 二週目はAnimal Biotechnology Laboratory Practice Courseとして、台湾国立大学の学生たちと共に英語による講義と実験を行いました。また二週目の最後には、一週目のラボローテーションでの研究発表会が行われました。

 以下に参加した学生たちの報告書を掲載します。



名前をクリックしてご覧ください。

浅部幸紹

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M1 浅部 幸紹 フロンティア医科学

 私が今回の国立台湾大学短期派遣へ参加を希望した理由は主に二つある。一つ目は自分の普段行っている場所以外において、研究手法の開発に触れる機会を得ることで、私が日々感じている「新しい研究手法による新しい発見」という研究における最もすばらしい局面に立ち会うチャンスを得たいと考えたからである。私は普段、白血病細胞株や大腸菌などを材料として、分子生物学的手法によりDNA、RNA、タンパク質を扱い、PCR法、シークエンス法、定量的PCR法、ウエスタンブロット法などにより解析している。まだ本格的に実験を始めて1年半ほどしか経っていないが、基本的な実験手法の習得が非常に重要であるということを学んだ。さらには、最近では、新しい技術を身につけることで、新しい事実を発見するチャンスが広がっていく、ということを実感している。
 二つ目は海外へ行くことにより、研究面だけでなく、研究者同士のネットワークに参加する機会が得られ、また、異分化圏で全く異なる考え方に触れることでより広い視野で研究に取り組めると考えたからである。実験技術の習得も大事な目的だが、海外の知り合いを作ることで将来、研究においてメリットが得られると思っている。
 私は今回の短期派遣で上記二つの目的を達成することができた。一つ目の目的では、新たに共焦点顕微鏡やTotal Internal Reflect Fluorescence(TIRF)を経験することができた。これは今までやったことのない実験だったので、これからの実験で生かしていきたいと思う。二つ目の目的においても国立台湾大学の多くの学生と知り合うことができた。これはこれからの研究生活において海外の研究者と切磋琢磨できると感じている。
 私はこのプログラムに参加する前は、きちんと英語でコミュニケーションがとれるか不安であったが、実際に参加してみて、それは杞憂であったと感じた。確かに自分の英語力は高くないが、一生懸命伝えようとすると台湾の学生たちも理解しようとしてくれていた。日本人は文法を気にするためあまり話さないと言われるが、間違ってもいいからどんどん話しかけることが大切だと学んだ。
 今回は2週間の短期派遣であったがとても多くのことを学ぶことができた。2週間という短い期間でさえ多くのことを吸収できたので、次回またこのような留学の機会があるのであれば積極的に参加したいと思っている。

(報告書より)

石川祐

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M1 石川 祐 フロンティア医科学

 私は8月19日から9月1日の2週間にわたり、国立台湾大学のインターンシップに参加した。今回このプログラムに参加するにあたり、以下の目標設定を行った。1つ目は、海外の研究室で研究活動を行うことにより自分の視野を広げること。2つ目は、研究者として必要な能力を身につけること。3つ目は台湾大学の学生と交流し、彼らの積極的な姿勢を学ぶことであった。今回の派遣では1週目にそれぞれ希望したラボへ行き実験を行うラボローテーション、2週目に講義と実験が一緒になったBiotechnology seminarが行われた。この報告書では今回の派遣で学んだことを3点挙げていく。
 まず1つ目はラボローテーションである。今回実験を行った研究室はHsinyu Lee教授の内皮細胞分子生物学研究室である。この研究室では、ガン細胞増殖に関与する血管新生のメカニズム、シグナル伝達の経路の解明の研究を行っている。このラボローテーションでは自ら積極的に動き、実験の合間を見つけて研究背景や実験結果について質問をし、納得するまでとことん議論しようと努めた。教えてもらったことを理解するだけでなく、それを人にわかりやすく伝えるのが一番重要だと実感した。実験中に「今説明したことを繰り返してみて?」と何度も言われ良い練習となった。これを通して自分の弱点はScientific になると単語が見つからず、伝える能力が弱いことであると気が付いた。どのように相手に伝えるのか、そのためにはどのような言葉を用いて伝えればいいのかを学習する良い機会となった。
 2つ目はプレゼンテーション である。今回のプレゼンテーションは私にとって初めての英語発表であった。1週間の実験で結果が1つしかなく、他のデータがないことを不安に感じていた。しかし一番大事なことは、研究成果を短時間で相手にできるだけ理解してもらうこと、そのために何をすればいいのかを考えて準備することであった。この研究背景を理解してもらえなければデータを出したところで何の価値もない。自分が伝えたいことをどのように表現して相手に訴えるか、印象付けるかを念頭において準備することができ、本番では落ち着いて発表することができた。
 3つ目は学生間の交流である。今年度筑波大で行われたSummer School にはTAとして参加した。その時お世話をした台湾大学の学生が、今回私たちのTAであった。この夏約1か月間を共にし、国を超えた親しい友人になれた。Summer Schoolの期間、実験を始め、学校生活のこと、研究のこと、さらに私生活のことまで、たくさんの会話をし、確かな関係を築くことができた。楽しいときには一緒に笑い、空港で泣いて見送ってくれた友人たちである。彼らは、常に一生懸命であり、勉学に対する熱い姿勢、そして英語に関しては見習う一方である。これからも連絡を取り合い、学術的にも交流を深め、自分たちの良きライバルとして切磋琢磨していきたい。
 最後に、今回のSummer School に参加して台湾で過ごした本当に有意義であった。自分に対してプレッシャーをかけ、どのぐらいそれに耐えられるのか試すことができた。異国で文化も言葉も異なるところで、自分の存在をアピールするためには積極的な働きかけと、誰にも負けない芯の強さが必要だと感じた。困難な局面に出会ったとき、必ず自分の乗り越えることができると思う。自分がこのような貴重な経験を得ることができたのも、Summer Schoolに携わっていただいたすべての方のおかげである。深く感謝したい。ありがとうございました。

(報告書より)

岩淵大輝

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M1 岩淵 大輝 フロンティア医科学

 今回、私はshort-term Student Sending Programとして、台湾のNational Taiwan University(NTU)へ2週間短期派遣に行ってきました。
 1週目はラボローテーションがあり、私はTsai Kun-Li先生の微生物研究室のラボに配属され、Topoisomerase and its targeting agentsというテーマで1週間研究を行いました。最初はTAの方に英語で、研究の説明や実験の指導をして頂いたのですが、色々と困惑しました。特に、専門用語などわからない単語が多く出てくると聞き取ることができず、理解するのがとても大変でした。日本語なら簡単に質問できることでも、英語だとなかなか表現することができず、意思の疎通の難しさを実感しました。しかし、TAの方が親切に分かりやすく何度も丁寧に説明してくれたおかげで、徐々に理解することができるようになりました。また、自分の意見や考えを伝えることができた時は、とても感動しました。
 2週目は、Research Techniques in Animal Biotechnologyのコースに参加し、実験と講義を通してライフサイエンスの基本的な技術を学びました。ここでもたくさんの台湾の学生と話す機会があり、多くの台湾の学生と交流することができました。また、2週目ではラボローテーションで研究した内容のプレゼンテーションを行いました。私にとって英語でのプレゼンテーションは初めての経験だったので、とても心配でした。データのまとめ方や英語での表現、言い回しなど、考えるのに多くの時間がかかり、発表するまでの期間、毎日遅くまで準備に大変でした。しかしTAの方々が親身に指導して下さり、難しく考えず、シンプルな内容になるようにアドバイスを受けました。
何度も試行錯誤し、作り続けていくうちに研究への理解が深まり、本当に重要なことだけを示す工夫ができるようになりました。最後はとても分かり易いスライドができて、発表はうまくできました。しかし、質問に対して相手に伝わるように返せず、英語でのディスカッションはまだまだ自分の英語力が足りないことも実感しました。今回の経験から、実際に英語でしかコミュニケーションを取ることができない環境に身を置くことで、改めて自分の至らなさや英語の重要性に気づくことができました。また台湾の学生の能力の高さと自分の意見に対する自信、そして研究に対する熱意を肌で感じ、そこから多くの刺激を受けました。
 今回の短期派遣を通して、多くの台湾の人と交流をもつことができました。2週間、台湾の学生と都市の観光や一緒に食事をしていくうちに、普段見慣れないものや味わったことのない食べ物など、自分の知らない世界を多く経験させてもらいました。そして私は、日本とは文化や感性にいくつか違いがあることに気がつきました。しかし、そういった文化の違いに興味を示し、積極的に体験しようと心がけることで、相手との関係を深めることができたと思いました。そこから違う文化や異国の方と接する上で、一番大切なことは、まず相手の立場に立って考え、相手のことを理解しようする姿勢だと思いました。先に述べたように英語が話せることもとても大切ですが、それ以上に、相手のことを理解しようと努力し、多くの人とより良い関係を築いていけることの方が、グローバルな立場で活躍していくには重要な能力だと感じました。相手のことをしっかりと認識して、互いの違いを認め合った上で、接することができれば交流関係はさらに深まっていくと思います。また、今後もこれからのキャリアを考えながら、今回の経験を活かして国際的に活躍していける人材になれるよう努力していきたいと思います。
最後に、この貴重な機会を与えて下さった国立台湾大学および本学の先生方、また、研究室へ快く受け入れて下さったTsai Kun-Li先生、サポートして下さった研究室のスタッフ、学生の皆様に心から深謝致します。そして、渡航の手続き等、様々な面でサポートして頂いたインターナショナルオフィスの方々のご支援に心より御礼申し上げます。

(報告書より)

北林佳奈

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M1 北林 佳奈 フロンティア医科学

 私は、2週間の台湾への短期派遣に参加し、現在の研究生活だけではなく将来を考える上で非常に良い刺激をうけました。私は自分に自信がなく、なにかとネガティブにとらえがちだったのですが、台湾大学で過ごすなかで、自分のできることに対して自信を持つことができました。もちろん、自分が相手の言葉を理解できずに、逆に理解してもらえずに悔しさを感じた時も多々あります。しかし、TAの学生たちの力を借りて、わからせよう、わかろうと努力すれば、きちんと意思が伝えられるようになりました。
 私がこの短期派遣で一番大切にしたかったのが、コミュニケーションです。日本人は、英語を読んで理解することはできるけれども、聞いたり話したりするのは苦手だといわれています。その通りだと思いますし、私自身がまさにその典型例でした。そんな私にとってこの派遣に参加することはまさに武者修行でした。日本語が通じない世界に放り込まれて、なんとかしてコミュニケーションをとろうとしているうちに、だんだんと話ができるようになりました。ただ、研究に関するディスカッションになると自分の意見を的確に言い表すことができず、もどかしい思いをしました。これから、社会に出てもさまざまな国籍の人と意見を交わす機会は増えてくると思います。自分の意見を正確に伝えられなければ仕事になりません。今回の派遣ではその点に直接触れることができ、語学に対する意識が変わりました。
短期派遣の1週目は実際に台湾大学の研究室で研究を行いました。TK-Li教授の微生物学研究室にお世話になり、自分の研究内容とはまったく異なるテーマで、今までやったことのない実験を行いました。実験の原理、操作方法、何を知るためにこの実験をしているのかなど、慣れない環境でおろおろする私にTAはつきっきりで教えてくれました。この研究成果の発表会が台湾滞在の終盤に開かれたのですが、私は自分のしている実験の目的と仮説の区別がつかず、このプレゼンテーションをつくるために深夜まで質問に答えてもらったのを覚えています。ここで強く感じたのが、台湾大学の学生の研究に対する集中力と余暇の使い分けのうまさでした。研究に対してアグレッシブで、たくさんの実験をこなし、疑問があったらとことんディスカッションして次の展開を考えます。一方で、ティータイムであったり、早めに帰宅して夜の街を散策するなどリラックスする時間も設けていました。決めた時間内に集中して実験をしたり考えたりするほうが効率がいいのではないかと自分の日常生活を見直すきっかけになりました。
 この短期派遣に参加して、私自身の英語でのコミュニケーション力と、いくつかの実験スキルを身につけることができたと考えています。最後に、この短期派遣事業を行うにあたり尽力してくださった方々と、快く受け入れてくださった国立台湾大学の方々に厚く御礼申し上げます。

(報告書より)

佐藤祐哉

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M1 佐藤 祐哉 フロンティア医科学

台湾短期派遣を終え感じたこととしましては、普通の観光とは全く異なる非常に有意義かつ貴重な時間であったと思えたことです。
今回の台湾短期派遣を志願した理由として元々英語が苦手であったため、英語で話すことを恐れ外国の人とのコミュニケーションを逃げ続けていたことに危機感を抱いていたこと、また他の研究室での実験方法を実際に体験してみたかったことという大きく2つの理由があり、それを解消するためには、海外へ行き日本語の通じない状況に自分自身を置きたいと考え志願しました。
2週間の台湾短期派遣プログラムのうち1週目はラボローテーションという事前に希望を出していた研究室へ配属され様々な実験を学んでくるというものでした。そこではやはり実験方法などは大きく異なるものでした。まず試薬管理ですが試薬瓶にはホコリがかからないよう工夫されているなどされており日本よりもはるかに丁寧に管理されていました。また培養室の管理も同様に厳しく管理されており新鮮に感じました。また台湾の研究室ではもちろん自分自身の行っている研究とは大きく異なることもあり、かつそれを英語により理解しなければならないという状況であるため日本語で聞くとは大きく異なる緊張感を抱きつつ実験を行っていきました。しかし研究室では様々な研究室メンバーとの交流もありどのような研究を行っているかなどの情報交換も盛んに行うことができ刺激的なものでした。
2週目は台湾の学生と二人一組になりwestern blotting, PCRなど研究を行ううえでの必須となる実験方法を学ぶというものでした。台湾の学生は多くが卒業前の大学生であり、かつ実験はほとんどやってきていないため1週目のラボローテーションとは異なり、わからないところを教わるのでなく教えなければならず、そのために英語で実験手法や意味を噛み砕いて教えることの難しさを再認識しました。また2人で1つのデータを出さねばならないという責任感もありました。しかし研究室での会話のメインは研究内容の意見交換であったのに対し、2週目でのメインは学生間の日常会話がメインと異なりコミュニケーションの取り方の違いを実感しました。
台湾短期派遣を終えてみて実際に自分自身の変化として考えられることとしてはまず英語での会話についての考え方が変わったことです。台湾短期派遣の中にはイギリス、カナダなどの英語圏の人々も参加し共に実験を行ったのですが台湾の人々を交えての日常会話をしていると、第一言語の人でもきれいな文体で話すのでなく、相手に伝わるのであれば文体などにさほどこだわっていないのを目の当たりにして、下手でかつ不完全であっても積極的に話しかけていった方が何を話すか考え込んでしまい黙ってしまうことよりも相手も話しやすく、かつ自分自身のコミュニケーションスキルもあがるのではないかと実感しました。また他の研究室に行くことによって日本でのラボにいるだけでは絶対に味わうことのできなかった同じ研究をする者同士での研究内容をディスカッションするなどの経験ができ非常に実のある内容となりました。
このような貴重な経験をさせていただき本当にありがとうございました。

(報告書より)

杉山結香

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M1 杉山 結香 フロンティア医科学

 私は2012年8月19日〜9月1日の2週間、国立台湾大学(National Taiwan University: NTU) との研究教育交流の一環として短期派遣留学に参加しました。
 1週目は林詩舜先生のPlant molecular biology & virology研究室で実験研修を行いました。私に与えられたテーマは、SAP54AY機能解析のためのTuGKベクターの構築、というものでした。これまでの研究からSAP54AYは植物において過剰発現させると花を葉状に変化させるという働きが知られており、これの植物中での機能を明らかにすることが研究室のテーマのひとつでした。研究の方法としては蛍光顕微鏡を用いた葉の観察やウエスタンブロッティングなど馴染みのある実験はもちろん、agroinfiltrationという植物へのベクター導入などを行いました。普段自身の所属している研究室では細胞やマウスで実験を行っており、植物の分子生物学や実験方法を学ぶのは初めての体験でとても新鮮なものでした。動物と植物には共通するメカニズムが多く、生物全体に対する興味を持つきっかけとなりました。しかし、研究室配属初日の先生とのディスカッションでは植物に関する生物学的な知識がほとんどなかったため説明されたことを理解するのに時間がかかり、とても悔しい思いをしました。それでも、毎日の実験を進めていくうちに、自信に与えられたテーマの位置づけや目的が分かるようになってくると、TAや先生の意図している内容を理解することができるようになりました。すると、今まで以上にこちらの質問や意見を伝えられるようになり、密なコミュニケーションを取ることが出来たと感じています。実験から思い通りの結果が全て得られた訳ではありませんが、だからこそより深く自身のテーマについて考えることが出来たと思っています。
 2週目はNTUで行われたCBTサマーコースに参加しました。このコースは講義と実習を通して分子生物学の基礎的な実験方法を学ぶというものでした。実習はNTUの学生とペアを組み行われました。免疫染色やPCR-DGGEのように初めて行う実験もあり戸惑うこともありましたが、今後自身の研究に役立てることができそうな手法もありとても勉強になりました。実験の原理や手順を英語で説明するのは難しかったですが、お互いに納得し合えたときはとても嬉しかったです。
 2週目には最初の週に行った研究成果について発表会が開かれました。自分自身で納得のいく発表はできませんでしたが、短い時間でも重要なことを伝える表現方法を身につけることができ、いい経験となりました。今後は発表だけでなく、質疑応答も積極的にできるよう努めていきたいと思います。
 今回の台湾短期派遣を通じて感じたことは、自信の英語力の未熟さでした。伝えたいことをうまく表現できなかったりとっさの一言が出てこなかったりと、読み書きとは違った難しさを毎日感じていました。しかし、英語しか使うことの出来ない環境にいることで、なんとかコミュニケーションを取ろうと台湾に来る前よりも積極的に英語を話そう、という思いを持つようになりました。毎日自分の中でテーマを決めていたことも良かったのではないかと考えています。帰国後は英語でのミーティングにおいて、以前よりも内容を理解することができていると感じた。今後も英語でのコミュニケーションスキルを向上できるよう、ディスカッションにも力を入れて日々の研究活動に取り組んでいきたい。
 台湾での2週間は毎日があっという間に過ぎていき、とても充実した日々を送ることが出来ました。慣れない環境で疲れてしまうこともありましたが、NTUの先生やTeaching Assistant(TA) の学生のおかげで研究に関する知識だけでなく、楽しい思い出もたくさん作ることができました。素敵な時間を一緒に過ごすことができとても嬉しく思っています。また発表会前に遅くまでディスカッションや相談にのってくれ、毎日私を励ましてくれた研究室のメンバーにも本当に感謝しています。
 最後になりましたが、この台湾短期派遣でお世話になった国立台湾大学の先生方、筑波大学の先生方、インターナショナルオフィスの皆様のご支援ご協力に感謝申し上げます。このような貴重な経験をさせていただき本当にありがとうございました。

(報告書より)

高橋勇一

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M1 高橋 勇一 フロンティア医科学

 今回私は、「Summer Program +4 Biotechnology」という国立台湾大学で行われた短期海外研修プログラムに参加した。
 私は将来世界を舞台に活躍できる研究者を目指している。そのためには英語でのコミュニケーション能力は必須だが、今の私はほとんど単語レベルでしか英語を話すことができない。
 現在受講しているLong Distance lectureでは議論に参加できず、ただ聞いているだけになってしまう。私の中にはそもそも英語に苦手意識があり、自分から積極的に話しかけたり会話に参加したりすることを避けてしまっているのだと気づいた。そこで自分を、英語を話さなければいけない状況に置くことで、まずは英語で日常会話をするところから始めたいと考えた。そして英語に対する苦手意識をなくし、科学的で、論理的な会話が少しでもできるようになりたいと強く願った。自分から話しかける、科学的な議論を行うという強い意志を持ち、濃密な2週間を過ごしたいと思い、この研修に参加した。
 1週目はDr. Shi-Chuen Miawの研究室に所属し、「c-MafとTh-POKの物理的会合の可能性について」というテーマで実験を行った。
 c-Mafは全身の細胞に広く発現している転写因子の一つで、免疫細胞においてはサイトカイン制御に重要であることが知られている。
 一方、Th-POKはCD4+T細胞の胸腺内分化や機能分化、NKT細胞の発達のマスター転写因子として知られている。
 この二つの転写因子の物理的相互作用について細胞に強制的に発現させて検討するため、Th-POK発現用ベクターの作製を行った。
 最後のまとめとして、サマースクールに参加した学生全員が英語によるプレゼンを行った。多くの先生方やTAの前でかなり緊張し、発表時間も足りずにあたふたしてしまった。英語での説明、言い回しの仕方や質疑応答の難しさを実感した。
 2週目には「Animal Biotechnology course」という授業を、NTUの学生とともに受講した。この授業ではBiotechnologyの基礎的な実験手法について、英語による講義を受け、その後NTUの学生と2人1組のペアになり実験を行った。実際に行ったのはリアルタイムPCRや免疫染色など、よく知っているものが多かった。しかし、NTUの学生と英語で会話しながら、一緒に実験するのは新鮮で刺激的だった。さらに企業の方による最新技術を用いた機械や実験手法の紹介があり、どれも興味深いものばかりだった。
2週間の研修で英語による説明を受け、実験をする。または英語でプレゼンテーションするという人生で初めての経験をすることができた。
 英語で「話す」能力は正直、まだ稚拙である。しかし日本に帰ってきてから、英語の授業を受けてみて、英語を「聞く」能力は向上したと実感している。
 今後は、研修後のLong Distance lectureでは積極的に議論に参加して、さらに英語によるディスカッション能力を向上させたいと思う。さらに国際学会の発表でも質問したり、ポスター発表でディスカッションしたりするなど、世界の研究者と若いうちからコミュニケーションをとりたいと考えている。
 さらに今回の研修で台湾に多くの友達ができた。みんなとても親切で、日本から来た僕たちによくしてくれた。何人かとは今でも連絡を取り合っている。このつながりをこれからも大切にしていきたい。
 この研修を通して、英語で「話す」力の無さを痛感し、今後の自分に対する課題を見出すことができた。また新たな出会い、多くのつながりができ、自分の世界が広がったとも感じた。台湾で過ごした日々を胸に、これからも自分の夢のために毎日精進しようと思う。

(報告書より)

田代 ゆう子

本多健太郎

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M1 本多 健太郎 フロンティア医科学

 今回、二週間の台湾短期派遣に参加するにあたり出国前に掲げた目標は「全力」でした。これはこの意味は必ずしもプログラムに記述されているラボローテーションやCBTサマースクールに関してだけではなく、現地でこれから出会うであろう学生や先生方と、躊躇することなく全身全霊を持って向き合って議論し、笑い、歩み、苦労することで、2週間という限られた期間を最大限に謳歌することでした。この目標を掲げたのも、過去の自分の経験における反省からでした。
 遡ること5年近くになりますが、ある機会に恵まれ、同じように海外で少数の日本人と共に2週間程度滞在することがありしました。当時も学校で受ける英語の成績は芳しくかったため、当然英会話に対する自信もありませんでした。出国前から「間違いを恐れる
ことはない」と何度も言われており、頭では理解しているつもりでも、いざ異国語の飛び
交う環境に身を投じてみるとどうしても自信のなさから萎縮してしまい、世界中から集
まった同年代の生徒たちを前に積極的に働きかけることができませんでした。日本人というだけで、相手から好意的に話しかけてもらえたにも関わらず、そのような状況は続き、盛り上がる生徒たちを横目に必要以上に話すこともなく、「楽しんでる?」と聞かれて惨めな思いをしながら「もちろん」と答える大惨事でした。帰国後しばらくして撮りためた写真を見返してみると、ほとんどが風景や動物で、笑顔で外国の生徒と写っているものがあるかと思えば、そのほとんどは挨拶代わりに取り交わしたものばかりでした。あと一歩踏み出していれば築けていたであろう交友関係が生まれなかったことに、何よりも貴重な機会をみすみす見逃してしまったことに対して強い後悔をおぼえました。
  この目標を携えてプログラムに参加して一番感じたことは、異国の地で経験する多くのことがらに対して素直な感動や気付きができたことでした。これは自分の語学力に自信が持てない、間違いを犯してしまうかもしれない、といった“余計な”ことを考えることがなくなり、気持ちに余裕が生まれたためではないかと思います。またそのような新鮮な感動は、現地に住む学生にとっては往々にして「当たり前のこと」であり、自分が見聞きし驚きを話すことで、またそれを彼らが「驚きに対する驚き」として、新鮮な体験を共にすることができました。このような、日々気付かない差異を認識することは、よそ者であるからこそできることであり、相互の文化や思想の違いや共通点を見つけ、それぞれの魅力を感じるに十分なものでした。そうしているうちに、彼らの日常にあるほんの些細なことに対していちいち感激する自分たちの姿を見てか、実験の補助だけに留まらず、あれはどうだろう、これも試してみようと、台湾の様々な文化、慣習を次々と提示してくれるようになり、そのお陰で他の誰よりも現地での生活を十二分に満喫することができたと思います。このようにして受けた彼らの厚意は、国境を越えた友情を育むのには十分なもので、無数の記憶のかけらとして、大切な宝物として、今でも心の奥底から輝きを放っており、この先も大切にしたい絆であると確信しています。
  最後に、このような 機会を与えてくださった先生方に、専攻に、台湾の先生や学生の
みなさまに、厚く御礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。

(報告書より)

松尾実季

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M1 松尾 実季 フロンティア医科学

 今回の台湾派遣では、英語のスキルアップ、実験の基本的な知識を得る、という目的で参加をした。この医科学フロンティアに入って外国人との交流などを通して、英語の必要性、実験に対する意識の高さに大きな差を感じていた。この台湾派遣によって自分のモチベーションを上げ、学習意識の向上を計りたいと思ったからである。また、私は外国に行ったことがなく、外国とはいったいどのようなところで、日本とどのように違うのか、実際に確かめてみたいと思ったからである。台湾は海外旅行初心向けと聞いており、自分にはこの台湾派遣は最適であると思い、参加を決意した。
 出発の時は、飛行機も乗ったことが無いこと、英語での意思疎通ができるのか、海外で無事に過ごせるか、不安だった。台湾に到着すると、台湾の学生が空港で迎えてくれて、少し安心した。それと同時に、台湾の学生と交流を深めていきたいと思った。
 寮に着いて、まず初めに思ったのは、筑波大学の寮に比べて建物が立派なことである。筑波大学の寮もすべてこのような立派な建物だと良い、と感じた、しかし、部屋の中はテレビ、ラジオといったいつもの生活とは異なる空間であった。私は実家から大学に通っているため、普段の生活とは全く異なる生活に大きな不安を感じた。はたして一人で2週間過ごせるのか、怖かった。しかし、ともに参加した仲間とお互い励ましあい、楽しく過ごせるように気持ちを切り替えることができた。台湾の学生も台湾での生活について丁寧に説明してくれ、このプログラムを決して無駄なものにはしたくないと思った。
 1週目のラボローテーションでは、私が大学院で行っている実験のテーマに沿った計画を立ててもらい、自分に将来必要な実験技術の習得をした。TAの人から丁寧に実験を教えてもらい、自分の知らないことをたくさん学ぶことができた。TAと一緒に実験をして、実験に対する熱意や、態度について見つめなおす機会となった。そして、学んだ技術を早く使い、自分の実験へと活かしていきたいと思った。また、TAから英語のプレゼンテーションの仕方を教えてもらった。今までしたことが無かったため、とても難しかったが、丁寧な指導のおかげでプレゼンテーションを作り上げることができた。そして、英語で人に分かりやすく伝えること、そして、今の自分に何が足りないかを見つめなおす機会となった。
 2週目では、台湾の学生とペアになり様々な実験の原理や手技について学んだ。英語での講義は聞き取るに大変であった。しかし、ペアになった学生やTAが丁寧に説明してくれたため、理解することができた。台湾の学生と共同で作業するため英語での自分の役割など意思伝達をするのには苦労したが、何故この実験をするのか、何故この実験は必要なのか、今まであまり考えていなかった実験の原理を知ることができた。同時に、お互いの文化の話や価値観の違いや、学習の対する意識について知ることができた。
 TAは、常に私たちに気にかけてくれ、サポートをしてくれた。台湾の様々食べ物を紹介してくれ、観光案内をしてもらい、台湾をよく知ることができた。また、TAと会話するにつれて、自分の伝えたいことをどのような文法で言うのかではなく、いかにして分かりやすく伝えるか、考えるようになった。この意識を持つようになって、会話も弾むようになり、自分の得たい情報など得られるようになった。そして、様々な人との交流が自分の成長させる大きな要因であることが分かった。台湾派遣に参加して、英語のスキルや実験に対してモチベーションが持てたこと、外国との交流の必要性を感じた。そして、今回知り合った台湾の学生との関係を続け、お互いに刺激し合えるようになりたいと思った。また、外国との交流をこれからも行い、自分の視野を広げたい。台湾の学生のような積極性を持って、いろんなことに挑戦したと思えるようになった。

(報告書より)

Veronica Teresa Medrano Romero

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M1 Veronica Teresa Medrano Romero フロンティア医科学

We spent 2 weeks in the Summer Program +4 for Biotechnology at Taiwan University. During this program we performed a small research project the first week and took a practical course the second week. I had the opportunity to participate in the Molecular Biology Laboratory at the Department of Animal Science and Technology. Here, I was able to expand my knowledge to a field that I had never been, I succeed in generating transgenic quail embryos. All the lab members were really kind and cooperative. I must say a special thank you to my TAs Pippy and Yun also to professor Stone. Through the second week I was also able to have a quick view on how to perform several techniques useful mainly in Animal Biotechnology and applicable in other fields. In this practical course we mixed with Taiwanese students, so I was able to make new friendships. Besides all the new knowledge this opportunity also gave me the opportunity to experience how’s the laboratory work and student life in a different Asian country, Taiwan.
I really enjoyed the two weeks in Taipei. Although it was really hot and humid, all the TAs were really nice with us and made a huge effort for us to have a great time. Besides the lab rotation and practical course we were also able to visit some interesting and beautiful places, like the night market, the National Palace Museum and Jiufen. I’ll never forget this experience, nor the people I met.

(報告書より)

劉雁成

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M1 劉 雁成 フロンティア医科学

 今年8月19日~9月1日の二週間、私は国立台湾大学のsummer school に参加した。そこで勉強した事と感じた事を報告することにする。

 一週目は李建国先生の研究室で実験した。普段の李先生はいつもにこにこしているが、研究の話になると’鬼‘になる。研究室内のセミナーの時、発表者の説明が不足していたり、あるいは、全く説明していないことがあった時、間違っていることがわかった時、すべて、その場で発表を中止し、真剣に詳しくみんなに教える。先生の研究に対する真摯な姿から、自分に足りないものを学べたことは大変有意義であった。こういう、隅々まで真面目にみるスタンスが科学研究に不可欠だと実感した。
 私が与えられた研究課題は「interferonの体内影響の解析」だった。今回与えられた課題では、まず、マウスのtail veinから、interferonのplasmidを注射して、マウスに遺伝子導入をする。そしてマウスを解剖し、各器官を回収した後に、各器官から総mRNAを回収する。最後は、qRT-PCRを用いて、interferonのdownstream effectors の発現状態を解析する。そこで 勉強になった技術は主にtail vein injectionとmRNAの回収とqRT-PCRの三つの技術だった。その中でも、tail vein injectionができるようになったことは、マウスを使った研究をしている自分にとって、一番うれしい技術の習得であった。その技術を習うため、三日間、マウスのしっぽを使って、幾度となく練習した。本番の実験の時、成功してほんとにうれしかった。

 実験風景
 土曜日は、台湾の学生さんと一緒に九份へ遊びに行った。九份はあの有名なアニメ‘千と千尋の神隠し’のモデルになった九份だ。景色もきれいし、食べ物もおいしいし、面白いおもちゃもいっぱいあったし、結構楽しかった。

 九份遊び
 二週目は国立台湾大学での夏季集中授業だった。そこでは基礎的な実験手技と各生物分野の講義を教えており、その講義は台湾大学の先生或いは台湾の会社の研究員の方々が教えてくれた。その多くが私が体験しとことのない技術や使ったことのない機械の使用法であったため、勉強になったと思うとともに、自分の研究に対する視野をもっと広げることが出来たと思う。そして二週目の木曜日で英語でのプレゼンテーションがあったため、台湾人TAとたくさんディスカッションして、スライドを作ってたくさん準備した。本番の発表するとき、すごく緊張したが、プレゼン力を向上させるいい練習となったと感じる。何より、自分に合うプレゼン方がだんだん見えてきたことが大きな収穫であったように思う。
 実は今回の台湾大学の短期留学によって、台湾の学生よりも、日本の学生をもっと深く理解できたと思う。私は元々中国語話せるため、、日本人学生がどうしても英語でニュアンスを伝えることができない時に、私は通訳の役割を果たした。お蔭で、日本の学生の考え方などを直接聞くことができて大変勉強になった。これは、今後日本での生活には大変有意義だと思う。一方で、みんなと一緒にプレゼンの準備するとき、日本の学生達の研究に真摯に取り組む姿を見て、自分はもっともっと、頑張らなければいけないと痛感した。さらに、私は一緒に台湾短期留学に参加した日本の学生、お世話になった研究室の仲間、二週間ずっとお世話をしてくれたTAなど、多くの学生、先生方と良好な関係を作ることが出来た。これは一生の宝だと思う。
 最後にこのsummer school program を指導してくださっている先生方、たくさん迷惑をかけてしまったインターナショナルオフィスの方、及び 国立台湾大学のTA達に深く感謝したい。本当ににありがとうございました。

(報告書より)