藤田 諒 助教は卓越研究員として2020年2月に筑波大学トランスボーダー医学 (TMRC) の再生医学分野に就任した。骨格筋再生や骨格筋の可塑性を支える分子基盤の解明を目標に、特に骨格筋組織に存在する骨格筋幹細胞の制御メカニズムに焦点を当て研究を進めている。骨格筋幹細胞が幹細胞としての性質を長期的に成体で維持するメカニズムとして、幹細胞の微小環境、性ホルモンなどの細胞外部との相互作用、さらに幹細胞そのものが元々備える内在性機構の秘密を解き明かすことで、難治性筋疾患やサルコペニアの予防や治療に応用することを目標に研究を実施している。本分野は循環器内科の家田真樹教授のラボの一員でもあり、セミナーや研究発表なども共同で行っている。
藤田 諒 助教は、大阪大学医学系研究科遺伝子治療学教室の金田 安史 教授の再生グループで、玉井 克人 教授 (現 再生誘導医学寄付講座) の指導のもと2015年に医学博士を取得した。同大学院在籍中、2012年から2015年までは日本学術振興会特別研究員DC1として採用された。博士課程での功績が認められ、2014年には日本遺伝子細胞治療学会のYoung Investigator Award を受賞した。2015年からは新たに日本学術振興会特別研究員PDに採用され、長崎大学原爆後障害医療研究所において小野 悠介 准教授 (現 熊本大学発生研) のもとで研究を行った。2017年からはマギル大学 (モントリオール、カナダ) に留学し、博士研究員として Colin Crist 博士の研究室で骨格筋幹細胞の自己複製や休止期維持に関わる分子基盤の解明に従事した。2018年から2020年までの留学期間中は日本学術振興会海外特別研究員に採用された。2020年2月に卓越研究員事業に採択され帰国し、筑波大学トランスボーダー医学研究センター再生医学分野をスタートした。 2020年12月 第6回日本筋学会学術集会において Young Investigator’s Award 優秀賞を受賞した。