宇宙空間での骨格筋の衰えは人工重力により抑制される
〜微小重力下で筋萎縮を誘発する遺伝子の発見〜
本研究では、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発した、遠心機による重力環境を変えることができるマウス飼育システムを利用して、重力が骨格筋に及ぼす影響を詳しく調べました。国際宇宙ステーション(ISS)の「きぼう」実験棟で、宇宙の微小重力環境と人工重力環境(1G)において、約1ヶ月間にわたってマウスの長期飼育を行い、ヒラメ筋の変化を分析したところ、人工重力環境では、微小重力環境で生じる筋重量の減少と筋線維タイプや遺伝子発現の変化が抑制されることを世界で初めて明らかにしました。さらに、これまで知られていなかった、筋萎縮に関わる新しい遺伝子も発見しました。
本研究成果は、月や火星などにおける長期の有人宇宙探査に向けた基礎データとなると同時に、寝たきりなどの地上で見られる筋萎縮のメカニズムの一端を明らかにする鍵となる可能性があります。
→ プレスリリース PDF
→
doi/10.1038/s41598-021-88392-4