興奮性ニューロン内の分子シグナルが睡眠を制御する
〜眠りの量と質が決まる仕組みを解明〜
また、睡眠の質は大脳皮質の興奮性ニューロンが制御し、量は視床下部の興奮性ニューロンが制御することを見いだしました。ウイルスベクターを用いて、後天的に睡眠の量と質を変化させることで、この分子シグナルをさらに検証することにも成功しています。
睡眠は、心身の健康に不可欠であり、睡眠障害は精神疾患や糖尿病、心疾患、アルツハイマー病などの認知症のリスクを高め、日中の脳のパフォーマンスを低下させます。我が国では多くの国民が睡眠負債(睡眠不足に伴う心身の不調)を抱えていると言われており、睡眠の量と質を制御する仕組みの理解を通じて、新しい睡眠制御方法や睡眠障害治療法の開発に貢献することが期待されます。
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Nature 【DOI】 10.1038/s41586-022-05450-1
Kinase signalling in excitatory neurons regulates sleep quantity and depth.
(興奮性ニューロンにおけるキナーゼシグナルが睡眠の量と質を制御する)
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Nature 【DOI】 10.1038/s41586-022-05510-6
A signaling pathway for transcriptional regulation of sleep amount in mice.
(マウスの睡眠量を調整するシグナルパスウェイと転写制御)
→ プレスリリース 筑波大学ウェブページ