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細胞ストレスと疾患発症の研究

 私たちが健康な生活をおくることができるのは、体の調節機構がきちんと働いているからです。なにがしかの機構に破綻を生じても、その破綻によるストレスを体が感知して修復する防御機構が働きます。しかし、長期的にストレスがかかり続けると、防御機構が支えきれなくなり、何らかの病態が現れます。生活習慣病の多くは、こうしたものです。例えば、メタボといっても、病態が現れるのか、現れるとしたらいつか、どんな症状か、その程度はどのくらいか、など、実は明快ではありません。そもそも、なぜ病態が現れるかすらもよくわかっていません。鍵は、中途で生じる細胞ストレスが握ると考えられますが、なかなか優れたモデル動物系がないのが現状です。

 このような状況で、私たちは、細胞ストレスを自然発症するゼブラフィッシュを系統化することに成功しました。特に、いくつかはヒトの遺伝性疾患の原因遺伝子と共通の遺伝子が壊れているものであることがわかり、疾患モデル動物としての活用が期待されています。これらを解析することにより、これまでわからなかった細胞ストレスと動物個体で起こる病態の発症機構を結びつけられるのではないかと期待します。

 上記の図の右側は、it768系統の肝臓の切片です。it768系統は、小胞体ストレスを自然発症するゼブラフィッシュです。どうやったら、この病態になるのか、あるいは、どうやったらこの病態を治療できるのか、といった研究を進めたいと思います。この魚の原因遺伝子は、ヒト先天性糖鎖形成異常症の原因遺伝子と同じです。この疾患の病態発症メカニズムは不明であり、また、治療法もありません。本系統を活用して、治療法探索を目的とする国際的共同研究を始めたところです。