研究成果

業績資料(加藤)

Kato A, Shindo K, Maruzuru Y, Kawaguchi Y.
Phosphorylation of a Herpes Simplex Virus 1 dUTPase by a Viral Protein Kinase, Us3, Dictates Viral Pathogenicity in the Central Nervous System but Not at the Periphery.
J Virol. 2014 Mar;88(5):2775-85.

概要

単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)がコードするウイルス特異的酵素プロテインキナーゼ(PK)であるUs3は、HSV-1の中枢神経系破壊能を司るが、その分子機構は不明であった。本研究は、我々が最近、報告したUs3によるvdUTPase Ser-187リン酸化が、マウスモデルにおけるHSV-1の効率的な中枢神経系破壊能に必要であることを明らかとした。また、興味深いことに、本リン酸化は、マウスモデルにおけるヘルペス性角膜炎や性器ヘルペスの病態発現能には影響が認められなかった。神経病原性のみが低下する表現系は、非常にユニークであり、本知見がHSV-1のワクチン開発や遺伝子ベクター等の医学応用への糸口となることが期待される。なお、本研究は、Faculty of 1000 Biologyで'Very good'の評価を受けた。