研究成果
大阪大学微生物病研究所分子ウイルス分野 松浦善治
アポリポ蛋白質の両親媒性αヘリックスはHCVの感染性粒子産生に関与する
概要
C型肝炎ウイルス(HCV)の増殖には肝臓特異的に発現しているマイクロRNAのmiR-122やVLDL(Very Low-Density Lipoprotein)の産生に関与する、Microsomal Triglyceride Transfer Protein(MTTP)、アポリポ蛋白質B(ApoB)、アポリポ蛋白質E(ApoE)の重要性が報告されている。今回我々は、ApoBとApoEの遺伝子欠損Huh7細胞株を樹立し、HCVの粒子産生におけるApoBとApoEの役割を検討した。その結果、ApoBやApoEだけでなく、肝臓に発現している他のアポリポ蛋白質、ApoA1, ApoA2, ApoC1,ApoC2, ApoC3に共通して存在する、両親媒性のαへリックスがウイルス粒子に直接結合することが、HCVの細胞外への放出に重要であることを明らかにした (Fukuhara et al. PLoS Pathogens, Published: December 11, 2014, DOI: 10.1371/journal.ppat.1004534)。
