筑波大学大学院 人間総合科学研究科 医学系専攻についてご紹介します。

生命システム医学専攻長からのご挨拶

生命科学と疾患研究を推進

筑波大学は、文部科学省が指定した全国22の「研究大学」の一つとして位置づけられています。生命システム医学専攻では現在、40名以上の研究指導教員が、多彩な分野の研究指導を行っています。生命現象の本質的理解をめざす生命科学研究はもちろん、癌、精神神経疾患、睡眠障害、アレルギー疾患、自己免疫疾患などの難治疾患の病因・病態解明や治療手段、バイオマーカーの開発をめざした疾患研究も精力的に行われています。さらに、人間集団を対象とした予防医学研究、それを取りまく環境に関する研究も成果を上げています。「博士課程で病気の研究をしたいけど、医者じゃないから…」と思っている方も歓迎いたします。

研究アプローチの面でも、分子生物学、生化学、発生工学、生理学、病理学、ケミカル・バイオロジー、微生物学、遺伝学、ゲノム解析、システム生物学、微生物学、バイオイメージング、医工学、疫学など、多岐にわたっています。詳しくは、生命システム医学専攻サイトから、各分野のweb siteをたどってみて下さい。きっと興味を持っている分野の研究者が見つかります。

独創性への第一歩

「研究には独創性が重要」であることは確かですが、それでは、どのようにすれば独創性を身につけることができるのでしょうか?一つの方法は、自分の研究分野をしっかり追求しつつ、異なる分野からのアプローチを自分の研究に応用してみることです。複数の分野を融合したテーマを考えてみることにより、自分ならではのアイデアが浮かべば、独創性への第一歩です。

本専攻では、このきっかけが得られるよう、所属研究室以外の研究室におけるミーティングへの出席を、単位取得のための要件に組み入れています。
複数の研究室の指導方針を知ることは、将来、指導的立場に立つときにも、自らのスタイルを確立する上で、貴重な経験となると思います。さらに、他の研究室の教員・学生とも自然につながりを深めることができ、将来、貴重な財産になります。

英語によるコミュニケーションを自然に

筑波大学は、文部科学省により、いわゆる「スーパーグローバル」大学13校の一つに選ばれています。加藤光保前専攻長をはじめとする専攻教員の努力により、この数年で、本専攻の約半数の学生が留学生になりました。授業や研究室ミーティングも、原則、英語で行われています。また、医学英語に関する科目、国内外の大学を結んだ学生参加型のTV会議による選択科目なども用意されています。

一方、科学者にとって重要なことは、研究に関するコミュニケーションが共通語である英語でとれることであり、あくまでも重要なのは研究内容です。日本人学生や英語より日本語が堪能な留学生の個別指導や学位審査は日本語で行われています。

国際学会に出席すると、多くの参加者は英語を母国語とするわけではないことに気付きます。日常的に留学生とのコミュニケーションを取ること、ミーティングでのプレゼンテーションを英語で行うことを繰り返しているうちに、知らず知らずのうちに、研究に関するコミュニケーションを英語でとることに抵抗がなくなっていることに気づくと思います。

医師や社会人として活躍されている皆様へ

医師として医療の現場で抱いた疑問や、修士課程修了後に就職し、社会人としての仕事の中で抱いた疑問は、研究に対するmotivationとして、非常に貴重です。私たちは、このような社会人の皆様の入学も歓迎いたします。本学の医学医療系・医学系専攻・附属病院は、国内有数のe-learningの実績を有しており、e-learningにより、社会人博士課程でも単位の取得がしやすいように配慮しています。

早期修了制度と長期履修制度

生命システム医学専攻と疾患制御医学専攻の標準修業年限は4年ですが、十分な成果が短期間で上げられた場合、3年での早期修了も認められています。一方、特に社会人博士課程など、研究に費やせる時間に制限がある場合は、逆に4年の年限を超えて、5年あるいは6年での修了を可能とする長期履修制度も導入されています。

修了生の進路

博士(医学)の学位を取得した修了生の大部分は、国内あるいは海外の大学や研究機関での博士研究員、大学教員、企業の研究開発職、あるいは医師として活躍しています。今後は、大学教員以外の多くの職種においても、博士課程修了者が身につけた、与えられた課題を自力で科学的に解決していく論理と方法論、さらには新たな課題を見出す能力、すなわち、研究者としての資質を持った人材が求められると思います。文部科学省が平成28年度から開始した、大学・公的研究機関・民間企業において活躍する若手研究者を支援する『卓越研究員』事業も、博士の学位あるいは博士課程満期退学を申請要件としており、博士課程の修了者の活躍を期待するものです。

生命システム医学専攻へのお誘い

つくばは、海外を思わせる”great blue sky”をもつ研究学園都市で、研究に没頭しやすい一方、東京へのアクセスがよく、都内でのセミナー等にも気軽に参加できる環境にあります。都内からの通学も十分可能です。学生と教員の距離が近い本学において、科学研究の方法論を身につけ、研究を楽しみつつ、新しい知見を見つけて、「研究者としてのライセンス」である学位の取得をめざす皆様の入学をお待ちしています。

(写真撮影:2015年度フロンティア医科学専攻修了 修士(医科学) 八谷有紀さん)

土屋 尚之

土屋 尚之
生命システム医学専攻長