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当研究室は、マウス正常胃粘膜細胞とがん様変異細胞を用いて、がんの新しい診断法や治療法を研究しています。

TEL. 029-853-3466

〒305-8575 茨城県つくば市天王台1-1-1医学系学系棟871

会社方針Lab. CONCEPT

研究室から

がんは日本三大死因に含まれる疾患であります。様々な治療法が開発されてきましたが、全てのがんを直せるまでには至っていません。がんの新しい信代位法や治療法の研究に加え、我々は、活性酸素についても着目しています。活性酸素はすべての病気の80%に関わるとされています。がん、炎症(胃潰瘍や潰瘍性大腸炎など)などがその例です。病気でなくても老化や艶やかな肌の維持にも大きくかかわっています。活性酸素は健常時には体内の血圧維持等重要ですが、喫煙などにより過剰に発生すると病気を悪化させたり、病気そのものを引き起こすとされており、そのメカニズムをしることは治療だけでなく、病気の予防にも役立ちます。「活性酸素は人にどのようなメカニズムで悪影響をもたらすのか?」我々は日夜研究しています。


研究室長 松井裕史先生からのメッセージ



筑波大学大学院人間総合科学研究科消化器病態制御学(消化器内科)講師の松井裕史です。

がんと正常細胞の唯一のペアを樹立した教室です。

この材料を用いてがんの診断・治療法の開発を行っています。

数理物質科学研究科物性分子工学など活性酸素が病因となる消化器疾患をナノ粒子型製剤で治療する試みも進めており、予想以上の成果が上がってきております。

和気あいあいと楽しみながら世界最先端を極めたい、そんなわがままな学生を求めております。


研究成果

RGM細胞とRGK細胞の樹立
 ラット正常細胞胃粘膜由来細胞として、RGM細胞を我々の研究室で新規に樹立しました。また、その後の研究によりRGM細胞を親株として、がん様変異させたRGK細胞を樹立しました。RGM細胞およびRGK細胞は遺伝的背景が同等であると考えられ、これら二つの細胞を比較することで「正常」と「がん」の状態で起こっている細胞内イベントの違いを検討できます。
がんが光る事を解明
がん細胞が有する蛍光の源となっているのはプロトポルフィリン\などのポルフィリン類です。プロトポルフィリン\は5-アミノレブリン酸によりミトコンドリア内で生合成されるヘムの前駆体であり、フェロキレテースにより代謝されるとプロトポルフィリン\の内部にFeが配位してその蛍光を失います。 正常細胞では速やかにプロトポルフィリン\からヘムへと代謝されるため蛍光を発しませんが、がん細胞ではプロトポルフィリン\→ヘムの代謝に必要なフェロキレテースが阻害されているためにプロトポルフィリン\が細胞内に蓄積し、蛍光を発すると考えられています。我々の研究室では、この蛍光の蓄積機序を解明することで、診断・治療に役立てようとしています。蛍光の蓄積を制御できれば、がんの領域診断に役立てることや、蛍光物質にレーザーに照射した際に発生する多量の活性酸素を利用してがん細胞を特異的に殺傷することが実現します。
がんが動く様子を可視化
がんの特異的な性質として腫瘍形成・足場非依存性増殖・浸潤能があげられますが、これらすべての特徴を制御する分子生物的なメカニズムの一端を活性酸素がになっていると示唆する論文が報告されてきました。我々は、がん特異的性質のなかでもがん浸潤能に着目してきました。がんの悪性度を評価する上で最も重要なイベントであり、その予防はがんの悪性か予防に直結するためです。浸潤するがん細胞の動きに細胞膜の性質は重要であることに我々は着目し、がん細胞の細胞膜が正常細胞の膜に比べて”柔らかい”ことを特異的に可視化しました。新しいがんの領域診断デバイスの開発につながる研究も行っています。

バナースペース

筑波大学消化器内科
臨床フリーラジカル研究室

〒305-8575
茨城県つくば市天王台1-1-1医学系学系棟871

TEL 029-853-3466