難聴には、音の伝えが悪いために生じる伝音難聴と、聞こえの神経に障害があるために生じる感音難聴の2つのタイプあります。
伝音難聴は手術(鼓室形成術)によってある程度聴力を改善することができますが、感音難聴はなかなか治らないのが実情です。
私達、耳鼻咽喉科医の果たすべき使命のひとつに、この感音難聴を治療し失われた聴力を元に戻すということがあります。
現在、我々の研究グループでは、モルモットならびにマウスを用いた動物実験で、いくつかの感音難聴モデルを作成し、このモデルに種々の薬物を投与し聴力が改善するか否かについて検討しております。
(実験モデル)
1、音響外傷モデル:動物に強大音を負荷し、音響性の障害モデルを作成。
2、内リンパ水腫モデル:メニエール病の病態と考えられる内リンパ水腫モデルを作成
3、虚血モデル:蝸牛に行く血流を一時的に遮断することで虚血モデルを作成
4、ノックアウトマウス 等々
(投与薬物)
1、フリーラジカルスカベンジャー
2、NOS阻害剤など
3、ステロイド 等々
<臨床学的研究>
上顎癌や喉頭癌などの頭頸部腫瘍に対する治療に関して、手術・放射線治療・化学療法などを適宜組み合わせて行っている。
治療成績などを比較検討し、治癒率の向上に日々努めている。