後期研修医募集 関節リウマチ、および全身性エリテマトーデスや強皮症などを主体とする膠原病は、本来自分を守るべき免疫系が破綻し、自分自身を攻撃することにより発症する自己免疫疾患です。医学が進歩した現在でも難病とされ、日本でも特定疾患として数多くの疾患が登録されており、その病因解明は医学・生物界における今世紀の最大のテーマの1つであると考えられます。また、膠原病・リウマチは、臨床医学の中で近年最もめまぐるしく変化している分野です。ステロイドのみの治療でなく、細胞をターゲットとした新しい免疫抑制薬や可溶性のサイトカインという炎症を惹起するタンパク質をターゲットとした生物学的製剤の登場により、患者様の予後・QOLは近年目覚しく改善しております。 膠原病学は、抗核抗体など普遍的に存在する細胞に対する自己抗体が産生されることで惹起される全身性自己免疫疾患であり、全身ほぼ全ての臓器が炎症の首座となり得ます。よって、我々は、心臓・消化器・呼吸器・腎臓・代謝内分泌・神経・血液全ての領域に精通していないと病態の正確な評価が出来ないと考えております。 また、リウマチ学は、近年リウマチ科が標榜されたこともあり、整形外科やリハビリテーション科とともに運動器として最も大切な関節を守る学問として、専門医の必要性が最重要視されている分野です。抗リウマチ薬やステロイド、免疫抑制剤、さらには上記した生物製剤の適応や使い方で内科的な専門性が大切な学問です。 つまり、膠原病・リウマチはspecialityとgeneralityを兼ね備えた分野といえます。臨床研修においても膠原病に限らず多彩な分野で研修することが重要であると考えており、また当科の後期研修ではそれが可能です。実際、現在の当科レジデントの多くが都内を中心とする他施設で先進的な膠原病以外の内科学の研鑽を積んできております。また,生物製剤を知る上では、一歩進んだ欧米での研修も必要不可欠で、レジデント在職中に短期海外留学を進めており、今までに5名がドイツで生物学的製剤の研修を受けてきました。 当科では自己免疫疾患解明に向け臨床、およびそれに基づく基礎研究も積極的に行っており、後期研修の途中で大学院に入学し、研究に専念することも可能です。大学院終了後は欧米での海外留学を殆どのメンバーが希望し、それを推進しております。 膠原病・リウマチに興味がある人はもちろんのこと、全身を診られる医師になりたい人、免疫系の研究に携わり、将来は臨床開発に加わりたい方も我々は大歓迎します。 是非,我々と一緒に自己免疫疾患という大きな山に挑んでいきましょう。
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